代表 小野寺 哲夫
住所 〒115-0052  北区赤羽北3-8-1
TEL 03-3907-1785

 新河岸川をまたぐ高架駅で、改札口の赤羽口と浮間口の間に川を挟んでいる不思議な北赤羽駅。赤羽口から10分ほど歩いた閑静な住宅地に小野寺たばこ店さんがあります。戦前からこの地でご商売を営んでいるというご主人にお話を伺ってきました。

創業されたのはいつ頃でしょうか?

お店を守るご主人と奥様

 ご主人:昭和のはじめの頃、戦前ですね。たばこを扱い始めたのは、もう少し後になってからだと思います。開店当初はここから間口五間と、倉庫もあっていろいろなものを扱っていました。燃料や石油、お菓子から文房具まで。万屋みたいなものでしたね。昔はこのあたりにはお店がなかったんですよ。

間口五間というと、かなり大きいお店ですね。

バス通りに面したたばこ屋さんです。

 ご主人:そうですね。昔はこのあたりは学校と、軍の演習地で原っぱばかりで人家がなかったんですけど、お店もなかったから、お客様から「あれを置いてほしい、これを置いてほしい」ってご要望があって、商品もどんどん増えていったようなものです。

学校がたくさんあれば、学生のお客様も多かったでしょうね。

たばこの自販機が3つ、他に飲料の自販機が2つあります。

 ご主人:昔は良かったですよ。周りに学校が多かったので、文房具も置いていましたし、給食のない時代は中学生や高校生はお昼になると、みんなうちへ食べ物を買いに来てくれました。大勢で来るから店の中へ入れないくらいでしたよ。

それでは休む暇もなく、お忙しかったでしょうね。

窓口下のウインドウです。

 ご主人:その頃は学生もクラブ活動を一生懸命やるので、学校帰りでも食べ物を買いに店を利用してくれる人が大勢いたんですよね。品物を置いておけばすぐなくなって、いい時代でしたね(笑)。店もですが、組合の仕事でも忙しかったです。たばこ、菓子、飲料、郵便、電話、問屋でも組合の役員をしていましたし、未だに地区の理事をしています。誰か代わりにやってくれる人がいればいいんだけど(笑)。

今のようにたばこ屋さんだけに改装されたのはいつ頃ですか?

こちらで一服できますよ。

 ご主人:3年前ですね。10年くらい前から商売の形態が変わってきて、コンビニやスーパーにお客様が行くようになってきましたし、私も今、86歳なんですが、年をとってきたので、たばこだけでやっていくことにしたんです。もう少し頑張って90歳くらいまではお店もできそうかな(笑)。長く商売をやってきたので、お店を開けていれば近所の人の顔も見られるし、たばこだけでも残しておきたいですね。

周辺案内

龍福寺

 ご本尊は大日如来。室町時代末期に僧運珍が隠居寺として創建したことが始まりと言われ、豊島八十八ヶ所霊場の第八十六番札所となっています。境内には建長七年(1255年)の板碑が数基あり「板碑の寺」として有名です。

板橋区小豆沢4-16-3
都営三田線「志村坂上」下車 徒歩10分

小豆沢公園

 自然の多い広大な敷地には、野球場、テニスコート、相撲場、体育館、プール等、運動施設が充実しています。春には桜まつりが開催され、多くの人々で賑わいます。また、公園の奥には水上バスの小豆沢発着所があります。

板橋区小豆沢3-1
都営三田線「志村坂上」下車 徒歩8分

編集後記

 戦前からご商売をされている小野寺さん。お年は86歳ということで、今までにも大病で手術を4回もされたということですが、とてもそうは見えないほどお元気な方でした。50年以上もの長きに亘ってご商売を続けていらっしゃるベテランです。お店も日曜以外は営業されていて、喫煙者にとっては、たばこ屋さんがあり、一服できる場所があるというのは、心強いものです。これからもずっとお元気でお店を続けてほしい北赤羽のたばこ屋さんでした。