代表 三内 弘
住所 〒190-0182  日の出町平井1294
TEL 042-597-0005

 JR五日市線の武蔵引田駅から、大通りをまっすぐ北へ歩き、突き当たりの平井宿通りを左折し、少し歩くと間口の大きなお店、三内文生堂さんがあります。たばこを売っているお店が三内文生堂、併設された電気店は文生堂サンナイ電機という屋号で、ご主人が忙しく働いていらっしゃいます。この地に長くお店を構えるご主人にお話を伺ってきました。

「三内文生堂」という屋号は創業時からでしょうか?

ご主人お手製のちりとり。

 ご主人:はい、そうです。昭和4年の創業時は文房具屋だったんです。近くに小学校があるものですから、文房具と雑誌、食料品も少し置いて、昔で言えば百貨店みたいなものですね。私の父が店を始めて、たばこを扱い始めたのは、昭和10年頃からです。私が覚えているのは、昔は猫瓶といって、たばこを上から入れて下から取り出すような形の入れ物でたばこを売っていたことですね。

電気店を始めたのはご主人の代からでしょうか?

お話を伺ったご主人と奥様。

 ご主人:いいえ、父が始めました。父が今で言うと、結核になって、病気をきっかけに、それまで趣味でやっていた電気いじりを商売にしたんです。父が亡くなったのが、私が18歳のときで、あと一学期で高校も卒業できる時期でしたが、高校を辞めて店を継ぎました。それまでも、店の手伝いはしていましたね。ラジオの修理などは小学4年生頃からやっていました。昭和28年頃は電化製品も電気釜、洗濯機、テレビ、冷蔵庫と、次から次へと新しいものが出て、どんどん普及していました。

なるほど、当時はお忙しかったでしょうね。

お店の前には広々とした駐車スペースもあります。

 ご主人:電気屋のほうの話ですが、大晦日に86軒の家に集金に行ったことを覚えています。個人月賦の集金です。昔はテレビ一台売るにも、頭金をもらって、あとは月に二千円、三千円の月賦にするんですよ。大晦日に私ひとりでは回りきれないから、弟や親戚の若いアルバイトに手伝ってもらって、25日頃から家々を回っていました。

たばこの販売で工夫されていることなどは?

見やすく整えられたストック棚。

 ご主人:出張販売先の自動販売機の商品を入れておくコラム部に目印をつけておくことです。補充した商品の一番上に洗濯ばさみや、マグネットをはさんでおくと、次に補充に行ったときに、どの銘柄がどれだけ売れたか一目瞭然なんですよ。どれが何個売れたのか、全部記帳しなくても、すぐにわかるので、これは便利ですよ。もう30年ほど前からやっています。あとは、店の棚のプライスカードも作りました。メーカーから値札をもらいますが、それにはタールの数値が入っていないので、自分にもお客様にもわかるように、この数値は私が貼りました。プライスカードを立てておくアルミも使いやすい形に自分で作りました。

長い間ご商売をされていて、思い出に残っていることは?

タールの数値を入れたご主人お手製のプライスカード。

 ご主人:日の出町の産業まつりに出店すると、だいぶ売れるんですよ。たばこは2日間ですごく売れましたね。5年前ですが、その産業まつりで、私が一斗缶で作ったちりとりを140個用意してお客様に配りました。このちりとりは、今ふたつだけ残っていますが、一斗缶とエアコンの銅管を使って作ったものです。小平にいる私の友人が自治会長をやっていて、毎朝ゴミ拾いしているというので、ふたつ送ってあげたら、喜んでくれましたね。

周辺案内

妙見山 東光院

 境内の妙見山上にある妙見宮には、妙見菩薩が鎮座しています。別名、北辰菩薩ともいい、星の神様であると同時に運命の神様でもあります。毎年5月には例大祭があり、見頃となった山ツツジが、訪れる人の目を楽しませてくれます。

西多摩郡日出町平井3963
JR五日市線「武蔵引田」下車 徒歩25分

春日神社

 9月に行われる例大祭の鳳凰の舞は、都の無形民俗文化財に指定されています。もともとは、雨乞いのための舞だと伝えられていて、平井を中心に巡行する山車や御神輿も、華々しく賑やかで、遠方から訪れる観客も多いようです。

西多摩郡日出町平井3690
JR五日市線「武蔵引田」下車 徒歩20分

編集後記

 とてものどかで、のんびりした空気の日の出町。地元の話にお詳しいご主人によれば、日の出町は人口も増え、町民への様々な援助も手厚いようです。そして、18歳からご商売一筋のご主人は、いろいろな楽しいお話をして下さり、ご親切にしていただきました。取材に伺った私たちの帰りのバス発車の時刻を調べて下さったり、ルートを教えて下さったりと、他者への温かな心配りが、長らくご商売を続けていらっしゃるコツなのだと感じられました。