代表 國保 征子
住所 〒115-0042  北区志茂4-11-10
TEL 03-3902-8855

 住宅地の中にある、志茂七溜商店街の一角に位置する國保たばこ店さん。東京メトロ南北線志茂駅より、徒歩約5分、JR赤羽駅からも徒歩約13分と、便利な場所にお店を構えていらっしゃいます。地元で催される祭事や、地理歴史にも詳しい奥様にお話を伺ってきました。

創業されたのはいつ頃でしょうか?

お話を伺った奥様とご主人

 奥様:義母が昭和23年に店を始めました。私が昭和44年にお嫁に来て、店を一緒にやるようになったんです。義父も主人もずっと勤めていたので、女性が店を見ていました。義母が亡くなったときに、私の名前で店を継ぎました。今は、主人も定年退職して家にいるので、店を見ていてくれます。

ご主人がお勤めしていた頃は、奥様おひとりでお店を見ていらしたんですか?

町の灯火。頼れるたばこ屋さんです。

 奥様:そうですね。私がお嫁に来てから7年間は義母と一緒に店をやっていましたが、亡くなってからはひとりですね。子供を育てながら、店も昔は忙しかったので、家事も商売も一番忙しいときでしたが、若いからできたということもありますね。お客様相手の商売は初めてだったんです。でも、その頃はたばこの銘柄も今ほど多くはなかったので、なんとか対応できました。

初めての客商売でご苦労されたことは?

立ち止まって一服できるスペースが便利ですね。

 奥様:私は愛想が悪いんですよ(笑)。人とお話しするのは好きなんですけど、お客様となんでもないことを気軽におしゃべりするということが、なかなかできなかったですね。今では慣れてお客様とお話しするようになりました。

ご商売をされている上で気をつけていることは?

奥様直筆の江戸文字

 奥様:常連のお客様が来て、いつものたばこをサッと出すと、喜んでくれますし、たばこの値段はどこも一緒なので、うちに来てくれるのはありがたいことですよね。それから、古いたばこは置かないことです。賞味期限はよく見ておきます。特に自動販売機の中のたばこの日付は気をつけています。たばこ屋なので、その管理はきちんとしていないといけませんよね。店は土日も営業していますし、基本的に定休日はないですね。夜も10時頃まで開けています。夜は暗いので、店を開けて、ご近所のためにも明るくしておきたいと思っています。

お店に飾ってある凧など、変わった書体の文字ですね。

窓口の上方に見やすい棚を設置

 奥様:私が江戸文字を習っていまして、書いたものなんです。もう13年くらいやっています。誰もやらないようなことをやってみようと思い、他にあまりやっている人がいなければ、自分が一番上手だと思えるでしょ(笑)。相撲文字、歌舞伎文字、寄席文字、角字などを合わせて江戸文字というんです。去年は、ギャラリーを借りて、江戸文字をやっているもうひとりの方と二人展という展示会を行いました。店を開けながら、あまり場所を取らず、お客様が来たら手を止めても大丈夫な趣味なので、のんびりと楽しみながら続けていますよ。

周辺案内

志茂熊野神社

 正和元年に、当時、西蓮寺の住職であった淳慶阿闍梨が紀州より熊野三社権現を勧請して、下村(現在の志茂)の鎮守にしたと伝えられています。毎年2月7日には、白酒祭と呼ばれる行事が行われています。

北区志茂4−19−1
東京メトロ南北線「志茂」下車 徒歩15分

志茂ゆりの木公園

 志茂小学校の跡地に整備された、約4200平米の公園。すぐそばに荒川が流れており、眺望良く、地元の人々の憩いの公園として親しまれています。

北区志茂5ー18
東京メトロ南北線「志茂」下車 徒歩15分

編集後記

 志茂七溜商店街のペナントのロゴも奥様が花文字でデザインされたとのこと。ご本人は、趣味でやっていると仰っていますが、どれを見せていただいても、大変見事なものでした。奥様、ご主人ともに商店街や地域のいろいろな役員を任されるなど、お忙しく過ごされているようです。志茂周辺の珍しい祭事や、見どころなども教えていただき、とても楽しいお話をして下さいました。今後も町の灯火として、頼りにしたい素敵なたばこ屋さんでした。