代表 深谷智治
住所 〒132-0035  江戸川区平井5-15-7
TEL 03ー3616-0300

 JR総武線の平井駅北口駅前広場に面して、お茶とたばこを販売する深谷園さんがあります。2年ほど前に改装したばかりの綺麗なお店です。生まれも育ちも平井で、地元に密着し、地域にいろいろな貢献活動をされるご主人にお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

たばこの銘柄も豊富に取りそろえてあります。

 ご主人:昭和26年の2月です。60周年になりますね。店を始めたのは僕の祖父と父です。その当時からお茶と海苔を売っていました。たばこもそのくらいの時には売っていたんじゃないかな。法人になったのは昭和26年ですが、個人で店をやっていたのは、もっと前ですから。ちょっと詳しいことはわからないですが。

ご主人がお店を継いだのはいつ頃ですか?

入り口のすぐ右手にたばこの棚があります。

 ご主人:店を継いだのは昭和61年ですね。祖父がもう年なので、店をやめるということになったんですが、祖父としては、それで店を閉めて他所に貸すということは恥だと思っていたのでしょう。僕は百貨店に勤めていたんですが、会社員を続けるか、辞めて店を継ぐか、すごく迷いました。人生はどうなるか、わからないですからね。

それでもお店を継がれる決心をされたのですね。

平井駅北口からすぐ左手にあるお茶屋さんです。

 ご主人:どうやって生きていくかと考えたときに、お茶もたばこも商売だから、稼ぐことは当然ですが、両方とも歴史があり、文化があるものと思っているんですよ。面白いことにお茶は茶十徳、たばこにもたばこ十徳があるんですよ。お茶もたばこも人と人とのコミュニケーションや、なごむ時間を作るものでしょ。たばこを吸いながら話すと、本音が出てくることもある。そういう商売をするのはいいことじゃないかな、と思いました。ただし、時代の趨勢で、今後どうなっていくかはわからないことですけどね。

地域に根付いたお店ですよね。

おいしいお茶を取りそろえています。

 ご主人:江戸川区ではポイ捨て条例はつくるのに、区の喫煙所は一つもありませんでした。それがやっと、平井だけ1カ所、昨年、平井駅前に灰皿を置くことができたんです。江戸川区では1カ所だけです。土地は区の所有ですが、灰皿のメンテナンスは商店街やたばこ組合ではなく、町会でやっています。
今のところクレームはきていません。希望としては江戸川区内にあと2~3カ所作りたいなとは思っていますが。

それはすごいことですね。住民の皆さんで活動されたのですね。

お店の左側には自動販売機もあります。

 ご主人:灰皿を置くことによって、自分の店の売り上げが上がるということはないんですが、そういうことができるのは、地元に住んでいる人間ですよね。それと、商品を育てるのも僕たちのような小さなお店です。コンビニは商品を育てることはしないですよね。売れなくなったら入れ替えて、本当に現代的です。僕たちのような店は力は弱いけど、商品を育てようという気持ちがあります。お店も2年前にリニューアルしましたが、まだ完成はしていなくて、入り口のほうに看板を出して、たばこの品揃えがあることをもっとアピールしていかないといけないと思っています。ホームページを立ち上げなければと思っていますが、なかなか難しいですよ、これが。

周辺案内

妙光寺

 安立山と号す日蓮宗のお寺。慶長3(1598)年に安立院日鐃上人が創建したと伝えられる。現在の本堂は、昭和41年に水害防止のため、床を高く改修されたもの。

江戸川区平井6-12-9
JR総武線「平井」下車 徒歩5分

燈明寺

 新義真言宗で、明雅山明王院と号します。平安時代の草創と言われているが、年代とも明かではない。境内には聖天堂があり、古くから信仰を集め、平井聖天とも言われている。

江戸川区平井6-17-30
JR総武線「平井」下車 徒歩5分

編集後記

 地元に住んでいる住民だから、できること。それをよく理解し、住民の皆さんと協力して、江戸川区で唯一の喫煙所を平井駅前に設置したご主人のお話に心を打たれました。江戸川区の郷土史をめくりながら、土地のお話もしてくださり、地元住民のパワーと心意気を感じました。ご主人のお話どおり、商店が商品を育て、住民が土地を潤し環境を整えているのだと、改めて感じられました。