代表 苔縄 やい子
住所 〒136-0073  江東区北砂4‐20‐3
TEL 03‐3644‐6936

 東京メトロ東西線・南砂町駅より北に15分ほど歩くと、住宅地のなかに苔縄たばこ店さんがあります。周りは大型マンションや、団地が多く、のんびりお散歩を楽しむご老人や、親子連れが多いのどかなエリアです。また、苔縄たばこ店さんから更に北に5分ほど歩くと、有名な砂町銀座商店街があります。ちょうど取材日が10日だったこともあり、月に一度の「ばか値市」が開催され、商店街は大変な賑わいでした。近くに活気ある商店街もあるたばこ屋さんの奥様にお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

奥様が2014年末の江老連カラオケ大会で優勝したトロフィーと賞状

 奥様:昭和43年です。私の義母が町会の役員をしていたんです。今は、店の前は団地ですが、その前は整瓶工場だったんですよ。その工場を団地に建て替えるということで、町会の人に「嫁さんハキハキしてるから、たばこ屋やったらどうだい?」って義母が言われたらしいの。それで申請をして、許可が下りました。店は団地の建設が始まったときに開けたんです。そうしたら、現場で働く職人さんたちがよく買いに来て下さって、「たばこってこんなにいい商売なんだ」って思いましたね(笑)。そうして、団地が完成して、昭和47年に入居が始まったんです。当時うちは、雑貨屋だったので、ほうきやちりとりなどの掃除用具がとぶように売れました。

それは忙しかったですね! 今は配送のお仕事もされているようですね。

数々のカラオケ大会のトロフィー、これでもまだ一部だそうです。

 奥様:赤帽をしています。開店とほとんど時期を同じくして、赤帽の配送を始めました。配送は主人がやっていますね。今は息子も手伝っています。配送がないときは、主人も店を手伝ってくれるんですよ。

お店のお客様は、地元の方でしょうか?

お話を伺った奥様とご主人

 奥様:常連さんがほとんどですね。来る人がわかってるので、「待ってたよ」って言うと、喜んでくれますよ。たばこ屋はみんな売れない売れないって言うけど、私は売れないなんて言ったことないです。努力しないとね。お客様と笑顔で会話する店が残るんだと思います。ほとんどの方がお話をしに店に来てくれるようなものですから。一度買いに来てくれたお客様のたばこを、パッと出すんです。それで「今日は2個?」って聞くと、「おばちゃん2個売りたいの?」「そうよ」って言うと、笑って2個買ってくれたりしてね(笑)。遠くから買いに来てくれるお客様もいますよ。店もいつも綺麗に掃除しておきます。汚い店でお客様も買い物したくないですものね。

それはお客様も楽しいでしょうね。そして、奥様のカラオケはプロ並みだというお話を伺いました。トロフィーと賞状がたくさんありますね!

灰皿をとても清潔に保っています。

 奥様:カラオケが大好きなんですよ。それがストレス解消法かな(笑)。ハーモニカも10年やってます。主人が配送のない日は店を主人に任せて、私は介護センターなどに慰問に行くんです。ハーモニカを吹いて、そのあと私が2、3曲歌って。慰問先のおじいちゃんおばあちゃんも喜んでくれますが、私も楽しいんですよ。

健康で若くいられる秘訣は、好きなことをしているからでしょうか?

未喫防止を喚起するポップ。目立つ箇所に設置されていました。

 奥様:そうね。あとは、友達を作ることですね。カラオケ大会でも知ってる人に会えば、「元気?」「元気じゃなかったら来ないわよ!」なんて会話をして(笑)。好きなことをして、友達と楽しく過ごすことも大事ですね。店は日曜が休みなんですが、日曜日は友達とカラオケに行きます。店のお客様との会話も、お客様だからというより、人と話して笑わせることが大好きなんです。昔、手相を見てくれた人に「夜の商売があってる」って言われたこともあるの。歌が好きだし、この店をスナックにしようと思ったこともあるけど、この先どんどん年を取るだけだから大変だと思ってやめました。お酒も飲めないし。コップ半分飲んだだけで、もう陽気になって踊り出しちゃうんですよ(笑)。

周辺案内

南砂三丁目公園

 南砂町駅に隣接する公園。公園内の遊歩道は通勤、通学の人が利用している。滑り台やブランコなどの遊具が設置され、野球場も隣接しているため、平日休日問わず、多くの人で賑わっている。

江東区南砂3−14
東京メトロ東西線「南砂町」下車徒歩1分

長州藩大砲鋳造場跡

 長州藩は、幕末に江東区南砂付近にあった下屋敷の邸内で佐久間象山の指導を受け、大砲を鋳造していた。跡地には、ここで作られた大砲のモデルが据え付けられている。

江東区南砂2−3−1
東京メトロ東西線「東陽町」下車徒歩7分

編集後記

 大変明るく、お話上手な奥様で時間もあっという間に過ぎました。数々のカラオケ大会のトロフィー群を見ると、その熱意と努力に感嘆します。ご主人も歌好きとのことで、ご夫婦一緒にカラオケに行ったりしているそうです。ご商売についても、お店を清潔に保ち、明るく楽しい奥様の接客は、やはりお客様を引きつけるのだと思います。明るく前向きな奥様とお話をしていて、こちらも気分が明るくなるような時間でした。