代表 関 茂友
住所 江東区大島

 臨海地区のお台場、副都心に指定された亀戸など、“住みやすい街”に挙げられるようになった江東区。そこでお店を営む「タウンショップ セキ」さんは看板犬に八卦占い、そして“ゆとりとやすらぎ”のある、つい立ち寄りたくなるような魅力的な空間です。  安売り競争でお酒の売上は厳しい状況の中、たばこの売上はゆるやかながらも上昇し続けているという、店主の関さんご夫婦にお話を伺いました。

看板犬がいらっしゃるんですね

関さんご夫婦

 太郎っていうんですが、3代目の18歳です。でも人間の歳で考えると90代ですからおじいちゃん犬ですけど。太郎に会いたいからうちで買い物をする方がいらっしゃいますから、太郎も商売に貢献してくれますよ(笑)。ペットを飼いたくてもマンションで飼えない方が寂しいから太郎に会いに来たり、お客さんの携帯電話の待ち受け画面にもなっていたり、ありがたいことに皆さんに可愛がられています。

深夜12時過ぎまで営業されているんですか?

ガムが大好物の太郎ちゃん

 地下鉄の最終電車の時刻が12時半頃なんです。出口沿いに店はありますから、最終電車のお客さんの波を見届けてシャッターを閉めるんです。立地から地下鉄を利用しているお客さんのことを考えないわけにはいかないですね。地下鉄ができる前はバスの最終に合わせていたんです。店の前がバス停だからバスが停まると同時にお客さんがバッと入ってくる。10年一昔前の話ですけど。

お店はお二人で見ているんですか?

 夕方はパートの方に来てもらいますけど、基本的には2人です。
 一昔の華やかな頃は、少なくとも住み込みの店員が3人アルバイトが2人いて、酒屋の武器である“御用聞き”“掛け売り”“配達”をフル回転させていたんですよ。
 そういえば「商店街を見直す際のキーワードがこの3点である」と評論家の方が講演してたな。

大島は住みやすいですか?

駅に近く好立地のお店です。

 品物が安いし交通の便もいいから住みやすいですよ。よそに引っ越そうなんて人はいませんが、よそから移ってくる方は結構最近いますから。
 でもね、地下鉄が通る昭和50年以前の下水道が完備していない頃は、台風の時期になるとこの辺がテレビや新聞に出てくるんです。どうしてかというと、この辺は俗にいう“ゼロメートル地帯”なので台風・大雨の時には道路が川になっちゃうんです。下水道が整備されるようになってからはそんなことなくなったけど、逆に今度は山の手の方が洪水で騒がれるようになったり。

店頭の手書きのイラストが素敵ですね

ご主人手書きの“ゆとりとやすらぎ”

 千代田区の歩行喫煙に対する罰金法ができるくらいから、最近ゆっくりたばこを吸える場所が少なくなっているでしょ。だから店頭に「煙草、ゆとりとやすらぎ」の文字とイラストを手書きして張って「どうぞ店内でおくつろぎ下さい」ってアピールしてるんです。それを見て「江東区はいいね~。ゆっくりたばこが吸えて」と一服していきますよ。

占いもなさるんですか?

占い中のご主人、真剣です

 若い頃から“八卦占い”を勉強して、お店ではお客さんの運勢を占ったり、お客さんが自分で運試しをしたり、盆暮れの売出しのくじ引きに活用したりしてます(笑)。特に若い女性は占いが好きでしょ。中には、出勤する前に「今日の運勢」を占って、帰宅時に「占い通りだった」と報告がてらお店を訪れる方もいらっしゃいます。
 1本の算木を選ぶ時には迷わずスパッと、無念無想の一発勝負です。私の師匠である東北大学の教授は毎朝今日一日の運勢を占うそうです。悪い気が出たのならそれを克服するような心がけをして、いい気が出たら油断してつまずかないように注意する。プラス思考で行動するための気付けになるということです。

周辺案内

サンロード中の橋(中の橋商店街)

 都営地下鉄新宿線の大島駅のすぐ近くにある商店街。南北に400m程ある通りには、衣食住に関る様々なお店が並んでいます。毎月8日と18日の特売日には、遠方より買い物客が訪れ混雑するそうです。また、他の土地へ嫁いだ人でも、年に何度かはこの商店街へ買い物しに来るそうです。

編集後記

 多趣味なご主人は小学校の頃からマンガが好きで、クラブのポスターコンクールなどで賞をもらっていたそうです。店頭のイラストを見た人に「やすらぎ」を与え、一服する「ゆとり」を見つめなおす時間を提供する。“タウンショップ・セキ”はそんな空間かもしれません。まだまだ現役ですが、ゆっくり絵を描く時間が持ちたいそうです。