代表 山下 由美
住所 中野区本町5-3-9
TEL 03-3382-3820

東京メトロ丸ノ内線の方南町方面支線にある中野新橋は、新宿から3駅目と、都心に近い場所ながら、どこかノスタルジックな雰囲気を漂わせる街です。

駅を出て神田川にかかる中野新橋を渡ると、すぐ左手に山下たばこ店さんがあります。

こちらで長くお店を営む奥様と娘さんにお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺った奥様。

奥様:昭和59年の1月23日です。1、2、3で覚えやすいでしょ(笑)。

当時、銘柄も今ほどなかったので、少量から始めましたが、バブルの景気に乗ってどんどん増えていきましたね。その後は富士山みたいに綺麗に下がっていきましたが(笑)、今も扱う種類は、紙巻たばこ・手巻たばこ・加熱式たばこ、あわせて400種はあります。たばこが売れていた時代は本当に忙しかったです。

近くには、元大関貴ノ花の先代師匠がおこした藤島部屋があったんですよ。そのあと、二子山部屋、貴乃花部屋になりましたよね。貴乃花部屋になって引っ越してしまったけど、若貴の頃は賑やかでした。

その前の昭和40年頃までは、このへんは花柳界があって、神田川沿いはずらっと料亭が40軒、置屋が30軒くらい並んでいて、芸妓さんも100名近くいたんですよ。

華やかな街だったんですね。今はお店は奥様と娘さんで見ているのでしょうか?

外国産の手巻きも置いています。

奥様:そうですね。今は経理から発注までパソコンの時代ですから、私ひとりじゃとてもできないので娘に手伝ってもらっています。

娘さん:母は月曜と木曜の午前中は健康維持のために運動しに行っているので、お店を開けていないこともあるんですね。病院に行くこともあるし。

私が3日店番していると、お客様に「お母さんどうしたの?」って聞かれます。生存確認されますよ(笑)。

皆さん、奥様のこと気遣ってくださるんですね。

三重のスライド式の棚にストックが収まっていました。

奥様:ありがたいことですよね。常連さんはお店が開いているときに、まとめて買っていかれる方が多いです。

お客様から「お店開けたら教えて」ってラインが来ますよ。「今日は何時?」とか(笑)。

娘さん:お客様には本当によくしていただいています。私よりお客様のほうが母を気遣ってくれています(笑)。

お客様とラインしたり、すごく親しくお付き合いされているんですね。

こちらも綺麗に整頓された棚。銘柄豊富!

奥様:お客様ではあるんですけど、友人というか、身内のように図々しく付き合わせてもらっています(笑)。

私、裁縫も好きで今着ている服(チュニック)もさっき2時間くらいで作ってきたの。だからお客様の犬の服が破れていたら繕ってあげたり、独身の男性のお客様も多いから「困ったら持っておいで」って言って、ズボンの丈詰めやボタンを留めたりしています。

娘さん:これだけ周りにコンビニの数が増えて、たばこ屋さんでやっていくのって難しいと思うんです。24時間営業できないですし、特にうちは母が入院したりして店を閉めていることも多いですし。

難しいですが、今最低限のラインでたばこ屋として営業していかれるのは、そういう母と常連さんとのコミュニケーションのおかげなのかなと感じています。

お客様が「たばこはここのお店で買う」と決めて来店してくださるのは、そういったやり取りが楽しいんでしょうね。素敵なことです。

中野新橋駅近くのたばこ屋さんです。

奥様:お客様に「こういうたばこを置いて欲しい」って要望をいただけば、できるだけ取り寄せて店に置くようにしています。そのお客様のためにね。

娘さん:3月~4月は入居・転居の時期ですが、珍しいたばこを買い続けてくれたお客様が引っ越す前に、店にある在庫を全部買っていってくれました。たばこをやめたお客様も、「やめたよ」ってひとこと言いに来てくれるんですよ。

奥様:本当にお客様には恵まれています。これまでもそうでしたが、これからも変わらずお客様とのコミュニケーションを大切にしていこうと思います。

周辺案内

本五ふれあい公園

2016年に開園した新しい公園。草地広場ではケヤキの木を中心にベンチが配置され、のんびりできる。多目的運動場では軟式野球、ソフトボール、サッカー、フットサルを楽しむことができ、区民の憩いの場となっている。

中野区本町5−28
東京メトロ丸ノ内線「中野新橋」下車徒歩5分。

本郷道改修記念碑

本郷氷川神社の境内内に建つ記念碑。明治時代に神社の傍らを通る本郷道が損壊した際、地元有志で寄付金を募り、約2年の歳月をかけて改修した。当時の大事業をたたえ、記念碑が建てられた。

中野区本町4−10−3
東京メトロ丸ノ内線「中野新橋」下車徒歩5分。


編集後記

奥様も娘さんもとても気さくで、気っ風がよく、お話は清々しく楽しいものでした。常連さんが奥様を気遣われている様子がうかがえましたが、それ以上に奥様がお客様を気遣い、温かく接していらっしゃるのだな、と感じます。

また、神田川に架けられた橋で欄干が赤いのは、この「中野新橋」だけなのだと奥様が教えてくださいました。欄干に擬宝珠(ぎぼし)のついた立派な橋です。

地元情報にも詳しいので、お近くにお住まいの方は、ぜひ立ち寄ってお話してみてください!