代表 川端 光子
住所 〒174-0071  板橋区常盤台2-28-8
TEL 03-3967-1310

 東武東上線ときわ台駅から北へ歩くと、静かな住宅地に入り、バスや車、人通りの多い富士見街道につきあたります。この富士見街道沿いにある田端屋さんは、長くこの地で商売を営んでいらっしゃいます。現在、お店を切り盛りする川端さんにお話を伺ってきました。

創業されたのはいつ頃でしょうか?

明るく楽しくお話をしてくださった川端さん。

 川端さん:明治の頃ですね。この場所はもともと親戚の土地でしたが、私の祖父と祖母が商売をやりたくて、ここでお店を開いたんです。最初はよろず屋でしたね。お砂糖やお塩の食料品から、ほうきなどの生活雑貨まで何でも扱うお店です。

この場所を選んで開店されたのは、人通りが多かったからでしょうか?

富士見街道沿いにある綺麗なお店です。

 川端さん:そうです。国道17号(中山道)の巣鴨のほうに青果市場があったんですよ。練馬のほうのお百姓さんたちがみんなそこから、このお店の前の富士見街道を通って行くんです。市場へ行って、帰りにこのお店で生活雑貨を買ったりしてくれました。その当時は、お店がこのあたりではうちしかなかったんですよ。もちろん、たばこを扱うお店もうちだけでした。

よろず屋さんから、たばこ専門店にしたのですか?

味のある電飾看板です

 川端さん:よろず屋のあとも、いろいろ商売をしてきまして、日本そば屋もやりました。そのあと、父が亡くなって、母ひとりでは、そば屋もできないので、母の代からたばこ専門店になりました。当時、このあたりは工場が多くて、朝晩人通りも多く、たばこも良く売れましたよ。

川端さんもずっとこのお店でご商売をされていたのですか?

窓口下のディスプレイ

 川端さん:いいえ。私は一度はお嫁に行ったんですが、商売の家で生まれ育って、物心ついたときから、遊びながらお店の手伝いをしていましたし、家の周りには常にお客さんがいるという記憶があるんですよ。ですから、お嫁に行っても何か商売の仕事がしたくて、一度は板橋区の大谷口で本屋もやってみたのですが、やっぱりこの場所で商売をしたくて、主人と家族ともども、こっちに戻ってきたんです。

ご商売をされる上で気をつけていらっしゃることを教えて下さい。

自動販売機もありますが、手売りが多いとのこと

 川端さん:常に前向きの姿勢でいることですね。お客様に対して嫌な印象を与えないように、何か自分の中で嫌なことがあっても表にそれを出さないことです。仕事ですからね。あと、たばこ屋は、お客様とコミュニケーションを取れることが楽しいですよね。今も、若い学生さんがお話しにきたり、相談しにきたりしてくれて、楽しいですよ。

周辺案内

天祖神社

 旧上板橋村の産土神として古くからまつられている神社で、ご祭神は天照皇大神、豊受姫命、大山咋命です。境内にある大きな八重桜は区指定保存樹木とされ、開花時は訪れる人の目を楽しませてくれます。

東京都板橋区南常盤台2-4-3
東武東上線「ときわ台」下車 徒歩1分

平和公園

 広々とした公園内にはソメイヨシノが約40本植樹され、板橋区の桜の名所としても有名です。また、モニュメントに広島の平和の灯と長崎の平和の灯を合わせた「板橋平和の灯」が設置されています。

東京都板橋区常盤台4-3-1
東武東上線「上板橋」北口下車 徒歩5分

編集後記

 明治時代から、同じ土地でご商売を続けられている歴史ある田端屋さん、現在は改装され、モダンな建物になっており、たばこ屋さんの隣には、川端さんの息子さんが経営する歯医者さんもあります。こちらの歯医者さんも、ひと目見た印象ではカフェかと思うほど、洒落た雰囲気です。近隣の土地の産業や、歴史についても、大変お詳しい川端さんには色々なお話を聞かせていただき、大変勉強になりました。