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 3月10日、JT東京支店にて、平成19年度「東京都未成年者喫煙防止推進協議会」が開催された。
 協議会では、たばこ業界における未成年者喫煙防止対策の取組み、成人識別たばこ自動販売機(タスポ)の取組み状況、出席各位の未成年者喫煙防止対策についての報告がなされた。
 たばこ業界と関係機関の強い連携及び、家庭教育も含めた地域社会全体での子供を守る・育てる意識が、未成年者喫煙防止活動の更なる成果に繋がるとして、積極的な意見交換が行われた。

東京都たばこ商業協同組合連合会 未成年者喫煙防止に関する取組みとして、販売店頭でのポスターの掲出、自動販売機へのステッカー貼付による注意・啓発をはじめ、「愛の一声運動」、街頭キャンペーンなど、従来の活動報告の他、成人識別たばこ自動販売機導入に関する具体的取組みとして、成人識別たばこ自動販売機導入に向けたパンフレットの作成・配付、組合員を集めた勉強会、ビデオの作成等により、組合員に未成年者喫煙防止の周知徹底を実施。
 既設自販機の改作、置換えによる成人識別機能の導入作業を実施。自販機での未成年者排除の取組みに対する社会への理解促進を目的に、タスポカードの普及促進活動を展開(平成19年12月~)している。

JT東京支店 青少年の健全育成を目的として、東京都「心の東京革命推進協議会」への協賛。今年度の同協議会主催事業の小学生を対象とした「食事と家族のふれあい~心も体も温まる食事~」文集製作への支援を実施。また東京支店独自の活動として、多摩川の干潟にすむ生物の観察、ものを大切にするエコ活動、地域の歴史探査活動への支援。
 タスポ普及促進に関わる自治体等への協力要請として、庁舎内、出先機関、関係機関へのポスター掲出、区の掲示板へのポスター貼付、区報への掲載、区役所受付への申込書据置、庁舎内でのイベント等行う。社会における、タスポカードへの理解と普及に力を注いでいる。

社団法人日本たばこ協会 2008年1月21日財務省主催の第12回財政制度等審議会たばこ事業等分科会において、たばこ自販機への成人識別機能搭載の許可条件化について審議され、所要の通達改正により、以下の措置を講じることが了承された。1、平成20年7月1日以降、新規のたばこ小売販売業の許可すべてに成人識別自販機の導入を条件として付す。2、平成20年6月30日以前にたばこ小売業の許可を受けているものについては、20年7月以降、成人識別自販機の導入状況を調査し、成人識別自販機を導入していないものに対し成人識別自販機導入の許可条件を付す。
 成人識別自販機設置の義務化と共に、識別自販機の安定稼働、タスポカードの安全性にも力を注いでいる。タスポカードには個人情報を保有せず、偽造防止に優れた安全性の最も高いものを使用し、さらに電子マネー「ピデル」を搭載し、利用者の利便性を高めている。

東京都青少年・治安対策本部総合対策部 「心の東京革命」として、次代を担う子供たちに、親や大人が責任を持って、正義感や倫理観、思いやりの心を育み、人が生きていく上で当然の心得を伝えていく活動を執り行っている。取組みのひとつとして、「食事と家族のふれあい~心も体も温まる食事~」をテーマに小学生から作品を募集。応募数は昨年から今年にかけて2倍に膨らむ。
 また、活動を通じて、子供たちの現状に対する危機感、規範意識、正義感、倫理観、義務感を伝える大人にも教育力の向上を意識してもらいたい。社会に対するメッセージを発し続けていきたいという、報告があった。

東京都教育庁 指導部 高等学校教育指導課 東京都における中途退学への対応策について、東京都の取組みでは、特色ある学校の設置、学校における指導の充実、相談機能の充実、外部教育機関との連携をはかっている。取組みのひとつである、特色ある学校の設置では、新たなタイプの昼夜間定時制高校として、職業に関する多様な専門科目の設置とホームルーム指導等の学年制のよさを残した、これまでの学校体制の枠組みにとらわれない三部制の昼夜間定時制単独校を開設した。
 
警視庁 生活安全部 少年育成課 少年の健全育成活動のひとつに、都内8カ所に少年センターを設け、心理専門の職員が秘密厳守、無料で相談に応じている。また、少年補導職員制度を採用し、警察OBを配置して補導活動を行うと共に、少年への犯罪の取締りも強化している。少年の深夜徘徊、喫煙、家出など、犯罪行為に至る前での「声かけ」を積極的に行っているが、今後もこうした街頭活動に力を入れていく。近くの大人が子供に声をかける、社会全体で子供たちを非行から守っていく意識を作っていきたいという報告があった。

社団法人 全国少年警察ボランティア協会 少年の非行防止・健全育成のため、活動の一部に、地域ふれあい活動、インターネットによる少年サポート活動、健全育成ハンドブックの頒布、少年問題シンポジウムの開催、少年警察ボランティア等の地域カンファレンスの開催等を行っている。
 成人識別自動販売機導入後、本年度上半期と下半期の統計で、未成年者喫煙の数値にどのような効果が表れるか期待したい。また、警察での未成年者喫煙の統計をとる際、その入手経路の詳細がわかれば、未成年者喫煙問題へのこれからの対策も考えられる。引き続き、少年の非行防止、健全育成に励みたい。



 2001年、日本たばこ協会、全国たばこ販売協同組合連合会、日本自動販売機工業会の3団体が中心となった、未成年者喫煙防止への取組み発表から、様々な研究、開発、検証を経ていよいよ本年、順次全国的に成人識別自動販売機が導入される。今後の未成年者喫煙防止の効果が期待されるが、たばこ業界、関連事業の社会における責任もまた強く意識し、更に積極的な取組みを行っていくという姿勢が強調された。