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【1980/昭和55年】
昔、まだ小学生だった頃、普段は何も言わない親父だけど、ここぞという時は、びしっと言う。道理にはずれたことをすると、説教がはじまる。そして、こぶしが飛ぶこともある。そんな親父を尊敬しつつも、子供ながらに恐れていた。その威厳ある親父の説教の終焉には、必ず、親父がすることがあった。タバコを吸うこと。気を落ち着かせるためだろうか。子供ながらに、タバコに火がつくと、内心ホッとしたものだ。やっと解放される。自分が親になった今も、親父がタバコを吸う姿を見ると、自分の若かりし頃、そして、親父の若かりし頃を思い出す。
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