1989- 平成
たばこ1つとってもその国の文化がみえてきます

「いっぷくの思い出」入選受賞
【2002/平成14年】
忘れもしない、9月10日。待望の子供が生まれました。あの待ち時間の長いこと。本人はもっとつらいだろうと思いながらも、時計とにらめっこをしていました。ふと横を見ると同じような境遇の人と目が合いました。なんとなしに「まだかねぇ、まだだね。」など話をしながら待っていたところ、偶然にもほぼ同じ時間に「生まれました」との報告。お互い握手をして分娩室に飛び込んでいきました。一息ついて待合室の喫煙コーナーにいくと彼がにっこりと笑って、タバコを1本差し出してくれました。2人とも何も言わずにただただ、ゆっくりとタバコを味わいました。
[30代/男性/北海道]
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