1989- 平成
たばこ1つとってもその国の文化がみえてきます

「いっぷくの思い出」入選受賞
【1991/平成3年】
11年ほど前、私が浪人生だった頃です。寮に住んでいたため、生活費は昼食代の3万円だけしか渡されてなく、結構貧しい生活をしていました。パチンコ屋で、球拾いをしてタバコに交換なんてこともありましたが・・・。ある日のこと、深夜になってタバコが残り一本しかないこと気づき財布の中には230円しかなく、寮生活なので門限も20時。「どうしようかな。今からだと寮を抜け出すのもなぁ。」と思案してしたときに「あっ友達にタバコもらいこう」と決心しました。私、貧乏でも、タバコは他人にたかるまいと考えていたのですが、背に腹は変えられぬ。ちょっと恥ずかしいけどと思いながらも友人の部屋へ直行。友人の部屋に入り、タバコをふかしていた友人に「悪いけど、タバコもらえるかな。」と声をかけたところ、「いいよ!」と快く返事をもらい、「ほっ」としたのもつかの間・・・・。友人から差し出されたのは、灰皿。「????」頭の上にはハテナマーク。友人から出た言葉は「まだ、吸えるよ。ほら。こうして、爪楊枝を刺せば・・・。」そうしてまで、タバコを吸う勇気の無い私は、友人に丁重にお断りし、自分の部屋に帰り、最後の一本のタバコに火をつけました。。。あれは、うまかった。自分
[30代/男性/千葉県]
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