代表 天野 泰久
住所 〒154-0017  世田谷区世田谷1-25-1
TEL 03-3425-1178

 1578年より、世田谷城下で始まった楽市から、430年以上続くボロ市で有名な世田谷上町。ボロ市は毎年12月と1月の15日、16日に開催され、1日で約20万人もの人々が訪れ、大変な賑わいを見せる一大イベントでもあります。そんなボロ市通りにお店を構え、毎年ボロ市に出店もされているご主人にお話を伺ってきました。

創業されたのはいつ頃でしょうか?

お店の奥にあるパイプルーム。綺麗に展示されています。

 ご主人:明治26年で、今年は創業118年目になります。私は4代目ですが、初代が店を構えたときは、たばこは専売制になる前の民営時代だったことから、たばこ製造の下請けをやっていました。明治の頃のことなので、家内制手工業のようなものですね。専売局ができたときに、うちもたばこ小売業の免許をいただいて、現在まで続いています。

初代からたばこ専門店として続けられているのでしょうか?

お話をしてくださったご主人

 ご主人:たばこを軸にやってきたということでしょうね。たばこの販売はずっと続けていて、その時々の当代の考えで店の品揃えは変えてきました。私の代になってからは、たばこ専門店です。先代は昭和30年代くらいから今でいうコンビニのような品揃えで店をやっていました。時代と共にその時々の考え方と、たばこ業界の置かれた環境の変化に対応して今日のようになっています。

紙巻きたばこ、パイプたばこ、葉巻や喫煙具と、多くの銘柄・種類を扱うようになったのはいつ頃から?

葉巻を管理するウォークインヒュミドール

 ご主人:先代が亡くなったのが23年前ですから、その頃から少しずつ広げていったんです。今では葉巻は600種類くらいあります。パイプたばこは350~400種くらいで、紙巻きたばこは日本で流通しているものはほとんど扱っていますから、300種類前後ですね。また喫煙具はパイプをはじめ、喫煙に必要なものは大抵取り扱っています。そこのお店に行けば、自分の欲しい物があるという環境がお客様も安心するんじゃないかと思いますし、まず、お客様の頭に浮かぶ店でありたいと思っています。

葉巻を管理する特別なお部屋もありますね。

改装したばかりのカウンター、在庫が綺麗に整頓されています。

 ご主人:商品の品質管理は当然のことですよね。葉巻を保管している部屋(ウォークイン ヒュミドール)は湿度・温度を年間を通し一定に保って、品質管理をしています。紙巻きたばことは違い、葉巻はワインと一緒でよい状態で熟成させるとさらに美味しくなります。それぞれの個性に合わせて管理することは、お客様に安心感を持っていただくことに繋がりますよね。

お店を続けていく上で気をつけていらっしゃることは?

お店の脇にある喫煙エリアで一服できます。

 ご主人:お客様に満足していただくには、どうするかということを常に考えていますね。そうするとありふれたことではありますが、具体的には商品の品揃え、品質管理はもちろんのこと、店を夢のある空間にしてお買い物をしやすい環境を作っておくことです。お客様に「買ってよかった」と思っていただくこと、これに尽きますね。うちは、必ず店内に入っていただく造りになっているんですよ。それは、中に入ってゆっくり見ていって下さい、という意味もあります。

周辺案内

世田谷区立郷土資料館

 大名領の代官屋敷としては、都内唯一の「世田谷代官屋敷」の敷地内にある、郷土資料館です。世田谷区に関する歴史や豊富な民族資料が閲覧でき、企画展や歴史講座なども開催されています。

〒154-0017 世田谷区世田谷1-29-18
東急世田谷線「上町」下車 徒歩5分

世田谷城址公園

 樹木に覆われた緑豊かな公園は、世田谷百景に選ばれています。また、初代吉良氏が築城した世田谷城の面影を残す土塁や谷があり、歴史公園として東京都指定文化財にもなっています。

〒154-0021 世田谷区豪徳寺2-14
東急世田谷線「上町」下車 徒歩6分

編集後記

 お話をお伺いしたお店の奥にあるパイプルーム(パイプが展示されている)で、お客様を招いてパイプ展示会やシガーパーティも行っているというご主人。扱う商品の知識と、徹底した品質管理へのこだわりには、頭が下がる思いです。テレビなどで、たびたびお店を紹介されるというのも頷けます。3月にお店を改装されたばかり、創意工夫のある綺麗なたばこ屋さんでした。