代表 田村 俊夫
住所 〒103-0025  中央区日本橋茅場町3-5-8
TEL 03-3666-2884

 東京メトロ茅場町駅から、歩いて5分ほどの好立地に、赤札屋田村商店さんがあります。オフィスビルが林立する茅場町ですが、この辺りは食べ物屋さんや、ちょっとした商店もあって、ほっと一息つける場所です。長い歴史を持つ、赤札屋田村商店の四代目である社長と、お父様の会長にお話を伺いました。

創業されたのはいつ頃でしょうか?

お店の二階、なんでも置いてあります。

 社長:そのあたりの話は、私の父である会長のほうが詳しいかもしれないですね。

 会長:大正13年の5月ですね。私の父が瀬戸物屋として店を開きました。たばこを扱い始めたのは、戦前です。

屋号の「赤札屋」にはどういう意味が込められているのでしょうか?

お話を伺った会長と四代目のご主人、法被が素敵です。

 会長:昔、深川に「赤札堂」という洋品を売っている店があったんです。その店が繁盛していたので、先代の父が、それならうちは「赤札屋」にしようということで、名付けたんです。屋号は似ていますが、業種がまったく違うので、弁護士さんからも大丈夫と言われたという話を聞いています。

この近辺は、昔はどのような町だったんでしょうか?

レジの奥に広いたばこのストック棚があります。

 社長:いわゆる長屋とかが並ぶ、職人さんの町でした。だんだん町も変わってきて、兜町が近いので、証券会社とか、それに関連した金融系の会社ができて、ビジネス街のようになっています。今はまた変わってきて、マンションができたりしていますね。

今は、オフィスビルと、この辺りは食べ物屋さんも多いですね。

お店の正面二階部分にたぬきの置物があります。大きいですよ。

 社長:そうですね。それは時代の流れでしょうか。いわゆる物品販売業が難しくなってきて、昔は傘屋や下駄屋、魚屋とかもあったんですが、だんだんなくなってきましたね。町の特色として、この辺りは平日の夜や、土日は人があまり通らなくなるんですよ。ですから、うちも店は朝7時に開けて、冬の寒いうちは夕方の5時半くらいに閉めます。朝7時の開店時のほうが、お客様もいらっしゃるし、たばこもよく売れますよ。

ご商売をされていて心がけていることは?

日用品はほぼ、こちらのお店で揃います。

 社長:よく昔の人が言った、5つの金のなる木というのがありまして、「正直、早起き、辛抱強き、油断のなき、仲むつまじき」これに倣っています。あと、よく言われるのは、「店よし、客よし、世間よし」です。やはり、今の時代、たばこを吸うお客様は肩身が狭いですが、喫煙者がマナーを守って、きちんとしていれば、周りの吸わない人からも認めてもらえるようになると思います。それは、たばこを売る側の我々も当然、責任を持って、マナー良く、を常に心がけていなければいけないと考えています。

周辺案内

水天宮

 安産祈願、子授けで古くから信仰を集める東京水天宮。その昔、福岡県久留米の鎮守として祀られてきましたが、江戸時代に赤羽根の有馬藩上屋敷に分祀され、明治5年に現在の蛎殻町に移りました。

中央区日本橋蛎殻町2-4-1
東京メトロ半蔵門線「水天宮前」下車 すぐ

茶の木神社

 下総佐倉の城主大老堀田家の中屋敷に守護神として祀られていました。屋敷内だけではなく、周囲の町方にも長年火災が起こらなかったため、火伏の神様と崇められています。また、日本橋七福神の布袋尊としても信仰を集めています。

中央区日本橋人形町1-12-10
東京メトロ半蔵門線「水天宮前」下車 徒歩5分

編集後記

たばこ、雑誌、日用雑貨、文房具、瀬戸物ほか、たいていのものなら、揃えることができる赤札屋田村商店さん。お店の会長からは、開店当初の写真や、戦時中の小学校の写真など、古くて貴重なものを見せていただきました。一枚一枚写真を取り出し、丁寧に当時のお話をして下さり、大変興味深かったです。時代や町の変化に常に対応しながら、歴史あるお店を守っていらっしゃる、茅場町の頼れるお店です。