住所 港区六本木5-1-4
TEL 03-3401-9893

 六本木交差点から東京タワー方向に向かい外苑東通りを30メートル程行ったところに、気品漂うたばこ屋さん「カプノス六本木」。テレビ・ラジオ・雑誌といろいろな媒体から取材依頼を受けているカプノスさん。たばこ業界で「カプノス六本木」さんを知らなければモグリと言われるほど有名なたばこ屋さんです。ダンディなご主人の高橋さんに、こだわりのパイプのことなど、いろいろなお話を伺って来ました。

店内入るといい香りが漂っていますね

お店は、六本木交差点近くの外苑東通りにあります。

 これは私がふかしているパイプたばこの香りです。パイプは“香り”を楽しむもので、味も甘さの中に深い味わいがある。ふつうの紙巻たばこの煙は苦手だけど、パイプや葉巻の 匂いは好きっていう人も多いですね。好きが転じて「日本パイプクラブ連盟」の選手と理事をやっています。

パイプクラブとは?

安いコーンパイプで800円から、高いの物で30万円のパイプまで、およそ500本ほど販売しています 。

 パイプスモーキングの好きな人の集まりです。パイプスモーキング大会という競技があり、3グラムのパイプたばこをいかに長く持たせるかという競技です。年に一度全国のどこかしらでその大会があり、大会のために各自クラブで練習しているのは、全国で50クラブの800人くらいです。私の店で作った「六本木ローデシアンパイプクラブ」は月に1回集まって、ロングスモーキング を楽しんでいます。日本のパイプスモーカー人口は何万人といると思うんですが、私達のように競 技としてやる人は少ないかな。

パイプを求めて各地からお客さんが来られますか?

 そうですね、吸い方を教わりに来る人もいます。始めは火を保つことができなかったりでなかなか上手くいきません。ポイントは葉の詰め方になるんですが、むらなくタンバーでおさえ、シガレットの空気が通る位に詰めます。味も詰め方によって違ってきますので、自分の好みの味になるように詰め方を工夫して初めて、“おいしい”パイプに出会えます。値段的にパイプは高く思われがちですが葉っぱ自体は紙巻よりも安く、器具も一見高いと思われるかもしれませんが、一生ものだからそんなことないんですよ。

店名の“カプノス”とは?

カウンターの中も広くて高級な造りになっています。

 ギリシャ語で“たばこ”という意味です。たばこセンターとしてお店をスタートしたのが、ちょうど昭和47年の札幌冬季オリンピックの年だったので、家族会議の結果、それにちなんで名付けました。

この土地でずっとたばこ屋さんをなさっているんですか?

たばこケースだけでもこんなにあります。

 私は3代目なんですが、明治の中頃からずっとたばこ屋をやっています。戦前は六本木交差点の今のアマンドがあるところに父の始めたたばこ屋があったんですが、戦後の区画整理で今の場所に移ってからは食料品も扱いました。今のたばこセンターになったのは昭和47年です。住まいもお店の上で通勤には便利ですけど、まあ、六本木は遊びに来るところで住むのは騒がし過ぎます。

外国のお客さんもパイプをお求めになるのでは?

お店の前から見える東京タワーです。

 港区は大使館の8割が集まっていますから外国のお客さんも多くて、欧米は紙巻たばこの値段が異常に高いからパイプを吸われる方が多いですね。でも英語で「味を説明してくれ」なんて言われたら困っちゃいますけど(笑)。あと、芸能人の常連さんも数人いますよ。

自販機は1台だけですね

 1台で十分ですよ。自販機があるとお客さんが店内に入りづらいでしょ。自販機でお店をガードして“入らないでください”って言ってるような感じにはしたくないので。だから自販機と店内での売上比も3対7くらいですね。店内に灰皿とカバンを置く台がありますでしょ。灰皿は店の外には1台は置いてありますが、店内でゆっくりたばこを嗜んでいただきたいと思って、店内には灰皿が7つ置いてあります。結構お客さんに喜ばれますよ。

周辺案内

六本木交差点

 5差路の3つの通りはそれぞれ、赤坂、飯倉と霞ヶ関、渋谷間の通りが六本木で交差します。そして、六本木で待ち合わせといえば「アマンド」前。ちょっと中に入って2階席から見渡す人の流れはを見ると、ここはどこ?と分からなくなる程“人種のるつぼ”状態です。

俳優座劇場

 交差点からすぐの六本木通り沿いには「俳優座劇場」があります。劇団俳優座の常設劇場、また現代演劇創造の場として昭和29年に完成。座席数300席の新劇活動の中心的劇場となり、多くの文化人を育てた劇場。

編集後記

 「とにかく店内に入ってお店の雰囲気を味わって欲しい」とおっしゃっていたご主人の高橋さん。お客さんがお店の中に入りやすい店作りを徹底されています。店内で高橋さんの吹かしているパイプたばこの香りは甘~く、特に女性には好まれるのではないでしょうか。もしかしてこれも店内にお客さんを招く、高橋さんの秘策の1つでは!? また夜の六本木という土地柄、カプノスであの有名人とばったり!なんてこともあるかもしれませんね。