代表 堀野 勝江
住所 〒165-0025  中野区沼袋4-32-6
TEL 03-3386-7476

 西武新宿駅から約15分ほどで到着する沼袋駅。都心へのアクセスが良い住宅地であり、また、近年の中野区は多くの大学、専門学校などが移設、新設されたりと、学生なども多く住む街になってきました。沼袋の駅からたくさんの個人商店が並ぶ商店街を歩き、新青梅街道に突き当たり、左に折れると堀野たばこ店さんがあります。こちらで長くお店を営み、中野組合の理事も務めていらっしゃる堀野さんにお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺った奥様

 奥様:昭和40年に義母が雑貨とたばこの店を始めました。義母は農家の出身で、姉妹が嫁いだ先の神楽坂で呉服の貸衣装屋をやっていたんだそうです。自分は朝晩泥まみれで働いていたので、商売がとても羨ましいと思っていたようです。それで、嫁いだ先でようやく店を始められて、とても嬉しかったようですよ。私は昭和37年に嫁いできたのですが、主人が昭和43年には工務店を始めたので、そちらを手伝ったり、家事をしたりで、義母が元気なうちは、たばこ屋のほうは義母がやっていました。

お義母様が亡くなったあとは奥様ひとりでたばこ屋さんを見ているんですね。

新青梅街道沿いのたばこ屋さんです。

 奥様:そうですね。義母が亡くなったのは、90歳にひと月足りない歳で平成4年でした。それまでは毎日店に来て、店の奥にこたつがあるんですが、お客様が窓口に見えると、そこから大きな声で「いらっしゃいませ!」って言ってましたよ(笑)。お義母さんはよっぽど商売をしたかったんでしょうね。亡くなるまでたった2ヶ月しか患いませんでした。晩年はわたしもずっと一緒に店をやっていました。そういう義母の思いもあるので、たばこひとつ買って下さるお客様も本当にありがたいです。私が店の奥で何かしているときに窓口にお客様が見えると、「いらっしゃいませ!」って奥から飛んでくる様子を見て、若い男性のお客様なんかも笑ってるんですよ(笑)。

今、買いに来られたお客様も奥様の元気な応対で笑顔になっていらっしゃいました。

灰皿はお店の前

 奥様:私、それしか能がないの(笑)。以前、組合の講演会で、東北連合会会長の平賀ノブさんのお話を聞いて、あの方と同じことを実行しようと思っています。「たばこ屋さんは街のおばさんだから、街の人たちに少しでも多くお声をかけて接していれば、お客様は逃げない」って。店の前を車いすの方が通るんですが、うちの斜め前の信号を渡るときに、少し段差があるので、大変そうだったんです。ですから、私は車いすを押して、信号を渡りきったところまでお送りしてました。そうしたら、その方のお母様がうちでたばこを買って下さるようになったんです。私は、うちで何かを買っていただこうとか、まったく考えていませんでしたが、それからというもの、ずっとたばこを買って下さいます。平賀さんの仰るとおり、昔ながらのたばこ屋さんというのは、店のお客様問わず、道を訊かれれば案内したり、ご近所の方々と仲良くして、人と人とのつながりを築いていくものだなと思っています。

お客様は常連さんが多いでしょうか?

歩道の向かい側にも灰皿が置いてあります。

 奥様:そうですね。知らない方は数えるくらい。常連さんには、いつも買って下さるぶんの数をあらかじめ袋に入れて用意しておきます。常連さんで、杖をついて歩いて買いに来て下さるおばあさんがいるんです。私の顔が見たいって仰ってたばこ1つ買いに来て下さるんですよ。このお正月は三が日店を休ませていただきまして、店の窓に張り紙もしてあったんですが、お年を召した方なので、わからなかったんでしょうね。店と自宅はすぐ近くなのですが、お客様と私の娘がたまたま会って、自宅まで連れて来てくれたんです。お正月だし、上がっていただいてゆっくりお茶を飲みながらお話しました。そうしたら、後で「悪かったから」ってマフラーをプレゼントして下さいました。そんなことしなくてもいいんですけどね。いつもお客様とはとてもいい出会いがあるんですよ。

素敵ですね。おばあさんは余程嬉しかったんでしょうね。

この時期、たばこの代わりに雛人形を飾ってました。

 奥様:いつも主人に言ってるんですが、「私は店をやっていて、お客様と会話ができて生かされてる」って、本当にそう思っています。町会の方、商店街の方、お客様、色々な方と交流できて生かされているんですよ。組合の方々とも、お掃除のキャンペーンをしょっちゅう一緒にやっています。お揃いの帽子とエプロンで街をお掃除しています。皆さん電話一本でパッと集まってくれるんです。本当にありがたいですよ。

周辺案内

百観音 明治寺

明治45年、天皇のご崩御に際し、榮照尼は観音石像を建立し、大正元年に最初の開眼供養を行いました。その後も、次々と観音石像が立てられ、現在では百八十体あまりの観音石像が境内に建立されています。

中野区沼袋2−28−20
西武新宿線「沼袋」下車徒歩4分

沼袋 氷川神社

ご祭神は、須佐之男命。南北朝時代に大宮氷川大社より御分霊を戴き、奉祀したのが始まりと言われています。境内には中野区で唯一七福神が礼拝できる中野七福神もあります。

中野区沼袋1−31−4
西武新宿線「沼袋」下車徒歩2分

編集後記

 とても明るく、気さくで親切な堀野さん。お話の間はずっと笑顔で、お客様にも元気よく朗らかに応対されていました。自宅とお店の往復の間にも、たばこのポイ捨てがあれば必ず拾って帰るという堀野さん。それも自分の気持ちでやっているとのことでしたが、なかなか毎日できることではありません。毎日自然に続けていらっしゃる親切の積み重ねに、頭が下がる思いです。お客様を笑顔にする街のたばこ屋さん、これからも頼りにしています!