代表 村尾 昌英
住所 〒143-0015  大田区大森西3-13-16
TEL 03-3762-3804

 京浜急行本線の大森町駅周辺には、広大な公園が点在し、スポーツ施設、レジャー施設も充実しています。しながわ水族館、大森ふるさとの浜辺公園、平和の森公園、そして、シネコン、平和島競艇場、クアハウスなどを擁する複合レジャー施設・ビッグファン平和島もあります。そんな大森町駅からほど近く、大森町共栄会(商店街)の中ほどで、長年たばこ店を営むご主人とお母様にお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺ったご主人(中央)とお母様(左)、幼稚園から帰った娘さんと奥様もご一緒に。

 お母様:戦前ですね。ここで70年くらい店をしています。

 ご主人:私で三代目です。店は今はほとんど私がやっています。たばこの銘柄が増えて、名前やパッケージもよく変わるので、旧デザインのものを置いておくと古いたばこを売ってるって思われてしまうので、切り替えのときは取り過ぎないように注意して在庫管理をしています。

特にうちは客層が60代の年配の方が多いので、新しいデザインになったり、名前が変わった銘柄には「New!」とか「これに変更しましたよ」というシールを自販機に貼っていたりしますが、それを剥がさないで欲しいって言われます。

シールを剥がすとわからなくなるからって。だから変更されてから時間が経っても、ずっと貼ってるんですよ(笑)。

それでは、ほとんど常連のお客様でしょうか?

ショーケースには季節の飾りもの、取材時は2月だったので桃の節句です。

 ご主人:そうですね。8割は近所にお住まいの常連さんです。最近は来ないですが、一時期は中国、韓国、台湾の方がiPadで写真を見せて「このたばこが欲しい」って、ずいぶん買ってくれたときもあります。

日本人だと、「これですか?」って商品を出すと、見て確認する程度ですが、中国人だと手に取ってひっくり返してみたり、中身が入っているか箱の上から指ではじいてみたり、開けてみようとしたり、ものすごく念入りに確認するんですよね(笑)。

そういうところは違うんだなと思いました。

そういう文化の違いの話は、最近よく聞きますね(笑)。ご主人がお店を継いでからどれくらいになるのですか?

大森町駅西口の商店街を歩いて5分ほどのたばこ屋さんです。

 ご主人 10年になりますね。

 お母様:私が10年前に大動脈解離で倒れて心肺停止になって、一度寝たきりになったんです。美容院に行った帰りに駅のあたりで苦しくなって必死で家まで辿り着いて、たまたま主人が家にいたので救急車を呼んでもらいました。

それで息子は会社を辞めて店に入ってくれたんです。

今はお元気になられて何よりです。

たばこの窓口

 ご主人:それが2006年の値上げのときだったのかな。ちょうど値上げ前の駆け込み購入のときに、母がいないので、常連さんから「どうしたの?」って聞かれて、事情を話して。それでもうちで買いたいって言ってくださったんです。

私はそれまで結婚式場のカメラマンをしていて、たばこのことは何も知らず、何がどれくらい売れるのかもわからないまま、注文して何とか乗り越えました。

全然違う分野のお仕事ですものね。それでは、ご主人がお店を継いでから印象に残っていることはありますか?

8年前に建て替えて、すっきり現代的な外観です。

 ご主人:6年前のたばこの大幅値上げ前に、段ボールで買ってくれたお客様がいます。段ボール1箱に50カートン入っています。それを2箱まとめて買ってくれました。

その方は、値上げ前日にも来て、「もう1箱欲しい」って言われたんですが、さすがにもうないですよって(笑)。

家族の皆さん吸うようですが、値上げ後もすぐに買いにきたので「どうしたんですか?」って聞いたら、そのお客様はこのあたりの祭事を仕切ってる役員だそうで、ぽんぽん人にあげちゃうらしいんです。昔気質の気前のいい方で(笑)。

 お母様:2~3日前にも段ボールで買ってくださいましたよ(笑)。

とてもいいお客様ですね(笑)。ところで、お店の窓口のショーウインドウに可愛らしいお雛さまの飾り付けをしていますが、これはお母様が?

灰皿は毎朝お父様が掃除されるとのこと

 お母様:毎年この時期になると飾ります。夏も秋もその季節ごとの飾り付けをします。ここを建て替える前に、カウンターの横に大きな飾り棚があったんです。

前に日本たばこの方が「こんなに大きい飾り棚があるので、何かさせてください」って言ってくださって、一生懸命飾り付けをしてくださいました。

その方はもう転勤して今はいないんですが、そのあとを私たちが引き継いで飾っています。出かけたときに可愛い飾りものがあると、買ってくるようにしています。

 ご主人:店の前を通る小学生が、ハロウィンが終わってもまだその飾りだったりすると、「まだ変わってない!」とかチェックして言うので(笑)。こまめに変えるようにしています。

周辺案内

大森ふるさとの浜辺公園

 入江や干潟をもつ、都内初の区立海浜公園。かつての大森海岸を再現した浜辺で磯遊びができる。また、園内は桜やツツジに彩られ、たいへん長い滑り台が設置されているなど、親子で楽しむことができる。

大田区ふるさとの浜辺公園1−1
京急本線「平和島」より徒歩15分

大森海苔のふるさと館

 大森ふるさとの浜辺公園に隣接した展示資料館。大森で海苔が作られていた頃の作業風景の再現や、小型の海苔採り船などが展示してある。休憩所からは、大森ふるさとの浜辺公園を眺めながら飲食もできる。

大田区平和の森公園2−2
京急本線「平和島」より徒歩15分

編集後記

 10年前に、長年お店を支えてきたお母様が大病をして、息子さんであるご主人が引き継いだということですが、今はお母様も元気になられて時々お店を見ているということです。ちょうどご主人の娘さんと奥様が幼稚園から帰ってきたので、一緒に写真を撮らせていただきました。ご家族皆さん、とても温かい雰囲気です。お店の上は賃貸もしているとのことでしたが、ご主人がいろいろな雑事をこなしてくれるので、とても助かっているとお母様が仰っていました。頼れるご主人のいる町のたばこ屋さんです。お近くをお通りの際はぜひ立ち寄ってみてください。