代表 渋谷 昌久
住所 〒164-0001  中野区中野2-30-14
TEL 03-3381-6326

 2000年代からサブカルチャー発信地として海外からの観光客も多く訪れ、近年では大学や専門学校が新設されて、ますます人気の中野エリア。中野駅南口から南へ延びる中野通り沿いのアーケード商店街は、昔ながらの小売店が軒を連ね、とても親しみやすい雰囲気です。駅を背に中野通りから左に一本脇道にそれると、飲食店が多く、こちらも昼時や夜には近くの学生さんや会社員の方々で賑やかになります。そんな駅至近の一角にお店を構えるご主人にお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺ったご主人と奥様

 ご主人:もともとたばこと飲食店をやっているお店がここにありまして、それをそのまま私が引き継いだんです。私は今76歳ですから、46年くらい前ですね。たばこと、ラーメン食堂だったんですよ。

 私は高校を卒業して新井薬師にあるラーメン製造卸売業者に住み込みで働いていたので、本職はラーメン屋なんです。ラーメン屋を6~7年やってから、焼き肉屋に変えました。そのときに、屋号を山水苑としたんです。

 焼き肉屋はつい4年ほど前までここの地下でやっていました。今は地下は人に貸して、一階でたばこ屋だけを営んでいます。

焼き肉屋さんをやめて、たばこ屋さんのみにしたのは何故でしょうか?

窓口は通りの正面と側面と二ヶ所あります。

 ご主人:私の肩が完全にダメになってしまって、包丁もまともに持てなくなってしまったんです。大きな病院で手術しましたが、リハビリで半年から一年は仕事ができないと言われました。

 一緒に店をやっていた息子も、体の具合が悪くて病院通いしていたので、焼き肉屋はやめて、たばこだけでやっていくことにしました。このビルが建ったのは20年ほど前ですが、当時、一階は倉庫とたばこの自動販売機だけで、地下の焼き肉屋のほうを一生懸命やってたんです。その頃は自販機だけでものすごく売れていましたから。でも、2008年のタスポ導入時に、九州のほうからスタートしましたよね。

 そのとき、知り合いの社長さんとかから情報を集めて、タスポはダメだから対面販売に切り替えようと判断しました。家内がたばこ屋をみて、私と息子は焼き肉屋、あとはアルバイトを雇ったりしました。対面販売にして正解でしたね。

それは本当にそうですね。お客様はどういった方が多いですか?

中野駅南口から徒歩3分の便利なお店

 ご主人:いわゆる通勤の方が多いですね。店は朝7時から夜12時まで営業していますが、朝は駅に向かう通勤客の方、昼はこのあたりのパチンコ店やゲームセンターに来る方たち、夜は駅から家に帰っていく方たちでしょうか。時間帯の統計も取ってます。昔は、このあたりは超一等地だったんですよ。

 今は北口に全部持って行かれちゃいました。昔は中野区役所は北口じゃなくて、こっちの南口のほうにあったんです。今は郵便局があるところです。周りには映画館が4軒ありましたよ。もともとはこっちが中野の中心地でした。

 だから、うちのような小さな飲食店にもそれなりにお客様が来てくれていたんですけどね。区役所が北口に移転してからは、映画館もなくなって、斜陽になっちゃいましたね(笑)。

いえいえ、南口の昔ながらの商店街も素敵です。お休みの日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

屋号の山水苑は焼き肉屋さん時代からのもの

 ご主人:夫婦でだいたい郊外に出ますね。山に登ったり海や川に行ったりします。新宿から東には行ったことなくてよく知らないんです。都会に行くと迷子になっちゃう(笑)。

 昔は車で行ってましたが、もう10年以上前に車は処分しました。息子に「のんべいだからダメ」って言われて。今はもっぱら電車で出かけます。ですからJRのジパング会員になって割引きで行ってますよ。家内もよく歩くんですよ。

 先月は真鶴半島にひじきを採りに行きました。兄弟が昔から真鶴にボートを置いていて、私も船舶免許2級を持っています。

ご夫婦そろってアクティブにお出かけされていて、羨ましいです。では、ご主人がご商売で気をつけていることは?

正面窓口の脇に屋根のある喫煙スペースがあります。

 ご主人:今はたばこ屋だけになりましたから、できるだけお客様と会話をするようにしています。それがお客様がまた次も買いにきてくれるきっかけになるのではと思います。お客様の顔とたばこを一致させるようにして、顔を見たらパッと出せるようにしています。時々間違えますけども(笑)。

 あとは、狭い店の中で箸より軽いたばこしか持たないから、筋力がどんどん落ちてしまうため、両腕と両足に負荷をかけています。片腕1,5キロずつ両腕3キロと、片脚3キロずつ両脚6キロで、全部で9キロのウェイトをつけています。

 山を歩くにしろ、海にもぐるにしろ、足腰の筋肉をつけていないといけませんからね。

周辺案内

なかのZERO

 中野区の文化施設で、大ホール、小ホール、学習室、プラネタリウム、中央図書館も設置されており、区内外を問わず多くの人が訪れる。大ホール、小ホールではオーケストラ、オペラ、ミュージカルなどの公演が行われ、アクセスの良さもあり、人気の公演会場となっている。

中野区中野2−9−7
JR中央・総武線、東京メトロ東西線「中野」より徒歩8分。

中野犬屋敷の跡

 五代将軍綱吉が発布した生類憐れみの令により、殺生を制限し、特に犬は手厚く保護された。中野には約30万坪と、最も大きな犬屋敷を作り、そのなかに8万~10万頭の犬を囲っていた。中野4丁目周辺の旧町名「囲町」はこれに由来する。中野区役所の前に犬の碑が設置されている。

中野区中野4−8−1
JR中央・総武線、東京メトロ東西線「中野」より徒歩4分。

編集後記

 筋力低下を防ぐため、毎日計9キロのウェイトをつけているというご主人。とってもお元気で若々しい秘密は日々の過ごし方のようです。来月のお休みには、霧ヶ峰にワラビを採りに行くと仰っていました。取材日は雨でしたが、お店は駅から近く、屋根のあるところに灰皿を3台設置しているため、お客様や一服される方がひっきりなしに来ていました。営業時間が長く、近くにお勤めの方や住人にも、とても便利なお店となっているようです。いつまでもお元気で、このたばこ屋さんを盛り立てていって欲しいです。