代表 榎本 仁
住所 板橋区徳丸6-2-4
TEL 03-3933-3431

東武東上線の東武練馬を最寄り駅とする板橋区の徳丸。徳丸の北に隣接する高島平を中心とするこの周辺は、その昔、江戸幕府の天領であり、徳丸ヶ原と呼ばれ鷹狩りが行われた土地だったそうです。

現在は整備された車線の広い道路が縦横に走る閑静な暮らしやすい住宅地となっています。

この徳丸で長い間ご商売を営む榎本酒店のご主人にお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺ったご主人。

ご主人:昭和35年のオープンです。当時このへんは田んぼばかりでしたが、近くに銭湯があったんです。当時はお風呂のない家が多かったので人が通ってくるんですよ。それでここに店を開くことにしました。

最初は乾物屋みたいなもので、塩、味噌、米、漬け物など売って、たばこ販売の許可も得ました。そのあとにお酒の販売の許可を得たんですね。

店の前の通りは西徳通りといいますが、昔はこの並びに魚屋や八百屋もあって、西徳商栄会といいましたが、今はうちの一軒だけになってしまいました。

そうだったんですね。小売店の最後の一軒になっても続けられる秘訣を教えてくださいますか?

たばこ、酒、食品、雑貨を販売しています。

ご主人:この通り沿いの近所には、お酒のディスカウントショップもできました。でも、私も長くこの地域でボランティアなどしていて、貢献していますから。

例えば、近くにある徳丸北野神社の「田遊び神事」という国重要無形民俗文化財になっている祭儀があるのですが、その奉納酒を一手に引き受けています。私は町会長もやっているので、交際が広くなって、そういう人との繋がりで注文をいただくことも多いです。

チェーン店のような便利さ、価格の安さもいいことですが、地域との繋がりの強い私のような店も大事です。

仰るとおりですね。壁には表彰状がたくさん掛かっていましたが、地元の消防団でも活動されているのでしょうか?

お酒の陳列棚です。

ご主人:27年間やっていました。副分団長です。私は定年までやって勇退したので、消防総監賞をいただきました。

他に青色申告会という、商売を営む人に期限内の申告を促したり、情報提供する活動をする組織があります。その板橋区の副会長もやっています。

ご主人、とてもお忙しいですね!

たばこの陳列棚です。

ご主人:忙しいんです(笑)。「榎本さん、商売しながらよくやってるよね」と周りの人によく言われます。

でも、それができるのは店を娘に手伝ってもらっているからですね。私は配達や地域の活動をやって、店は家内と娘に見てもらっています。

もちろん、外に出ないときは、私も店にいますよ。小さい店なので、ずっと通ってきてくれるお客様とはコミュニケーションを取って、心を摑まないと。それは商売の基本ですよね。

お客様の心を摑むためにご主人がされていることを教えていただけますか?

西徳通り沿いの酒屋さんです。

ご主人:笑顔でお迎えして、送り出すことですよね。

「元気?」「ありがとうございます、また来てくださいね」と笑顔で声がけをする。お客様に気持ちよくお帰りいただく。お客様に心ない対応したら、もう二度とその方はうちの店に来てくれません。たばこはどこにでも売ってるんだから。

だから、おもてなしの心を持ってお客様に一言声をかける。「風邪がはやってるから気をつけてくださいね」「また来てくださいね」って一言だけで、気持ちは違うんじゃないかな、と思っています。

周辺案内

昆虫公園

昆虫公園の名のとおり、数年前には昆虫を飼育している小屋や標本室があったが、現在では残念ながら撤去されている。しかし、公園自体は雑木林を基にしているため、自然発生する多種多様な昆虫が生息している。

板橋区徳丸3−37−9
東武東上線「東武練馬」より徒歩10分。

下練馬の富士塚

高さ約5m、径約15mの富士塚は、江戸時代に築かれたものと考えられている。富士塚に登拝すると実際に富士山に登頂したと同じ御利益があるとされ、現在でも町会の有志により7月1日に山開きが行われている。

練馬区北町2−41
東武東上線「東武練馬」より徒歩4分


編集後記

お話し方が明るく、立ち居振る舞いがとてもお元気で、笑顔が素敵なご主人。長年、徳丸の地でご商売を営み、地域の活動にもたいへんな貢献をしてきた方です。

そのためか、地元の名所旧跡にも詳しく、取材帰りには我々を車に乗せて、話題にのぼった水車公園や、かやぶき屋根の旧粕谷家住宅を見学させてくれました。本当に親切であたたかいおもてなしをしていただき、感激しました。

これからも、地元の活性化とお店のために元気でご商売を続けていってほしいです。