代表 椿 たい子
住所 中野区松が丘2-36-7
TEL 03-3386-6860

中野区の松が丘は、哲学堂公園がある閑静な住宅地です。

哲学堂公園は、東洋大学の創設者である井上円了が、四聖堂を建設したことがはじまり。広い園内には、哲学にまつわる名前の橋やモニュメントがあり、散策するには楽しい公園です。

そんな哲学堂公園の近く、新青梅街道沿いにある佐野屋精米店の奥様にお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺った奥様。

奥様:昭和30年に主人がお米屋さんとして始めました。その当時、このあたりは雑木林ばかりの何もない寂しい場所でした。

何故そんなところでお店を始めたのかといいますと、主人の親戚がここでお店をやっていたのですが、やめてしまったんです。

主人はお米の配給所に勤めていましたので、独立したらいいんじゃないかという話になり、ここでお店を持つことになったんです。

なるほど。奥様はご主人とご結婚されるまで商売の経験は?

お店の入口は広く開いて入りやすいです。

奥様:初めてです。結婚が決まったときに、母には「旦那様より前には絶対に出てはいけない」と、厳しく言われました。

商売は初めてでしたし、周りには何もない寂しい知らない土地で、最初はとても不安でした。

主人は5年前に亡くなったのですが、ご近所の方にお米屋さんを続けてほしいと言っていただいたんです。ですから、お米の扱いは縮小しましたが、お店は今も続けています。

ご近所の方にとって、なくてはならないお店だからでしょうね。では、たばこを扱い始めたのはいつ頃でしょうか?

銘柄豊富なたばこの棚です。

奥様:昭和39年頃からです。昔は、たばこの販売の許可を取るのが大変だったんですよね。申請を出して、当時の大蔵省の方がお店を見に来ました。

私は結婚前に母に「旦那様より前に出てはいけない」と厳しく言われていましたが、そのとき一度だけ、大蔵省の方に「ここは関東バスの営業所が近くにあって、運転手さんがたばこを吸いますから、絶対に売れます」と申し上げたんです。

それで販売の許可をいただいて、今も続けていられるので、本当に良かったと思います。

奥様の言葉添えの効果ですね。

お米も置いています。

奥様:お米は重たいので、精米などは娘が夕方に帰ってきてから、とお客様にはご理解していただいていますが、たばこならこれからも、もう少し商売が続けられると思います。

たばこの常連さんのなかには、お店のなかの椅子に座っておしゃべりしていく方もいらっしゃいます。お客様もご年配の方が多いので、お年寄り同士だから、気軽にお話できるのでしょうね。

私もお客様とお話すると色々勉強になります。

それでは、ご商売を続ける上で気をつけていらっしゃることは?

新青梅街道沿いのお店です。

奥様:こんなこと言うのも恥ずかしいですが、私はお客様には心から感謝しています。こうやって長くお店を続けられるのも、すべてお客様のおかげです。

主人がいたときから、雪の日でもお客様が入りやすいように、必ずお店の入口は開けていました。私もそうして毎日お店を開けています。

時々用事があって、妹に店番を代わってもらうときがありますが、そんなときはお客様が「おばあちゃんどうしたの?」って聞いてきてくれるんです。本当に嬉しいし、お客様はありがたいです。

周辺案内

山崎記念中野区立歴史民俗資料館

名誉都民である山粼喜作氏から資料館用地を寄付されたことを契機に、郷土の文化遺産を保存し、展示していく歴史民俗資料館として1984年に開館した。常設展示、特別展示、企画展示室がある。

中野区江古田4−3−4
西武新宿線「沼袋」より徒歩8分。

片山小さな緑地

松ヶ丘の住宅地にひっそりと佇む緑地。「小さな緑地」と名付けられただけあり、こじんまりとしているが、スツールと水飲み場が設えてあるため、近隣住民の小休憩所となっている。

中野区松が丘2−19−9
西武新宿線「沼袋」より徒歩12分。


編集後記

とても丁寧で優しい話し方の奥様。お話を聞いているこちらも、ほっとするような空気感を持っていらっしゃいます。

お話の端々に、お客様との信頼関係や感謝の気持ちを感じました。また、2人の息子さんご夫婦、お孫さんたち、ご家族とても仲良しだということで、羨ましい限りです。

これからも、お元気にご商売を続けていってほしいです。