代表 藤田 節子
住所 港区浜松町

 東京タワー、増上寺、浜離宮恩賜庭園、四季劇場などの観光地として、また大手企業が拠点を置くビジネス街として、対照的とも思える2つの顔が交差する街・浜松町。そんな浜松町で35年間「藤田商店」の看板娘として街を見守り続けている藤田節子さんにお話を伺いました!

ずっとこの地でたばこ屋さんを?

お店は角地にあります

 戦後、雑貨と文房具のお店を始めてから、たばこは昭和45年から扱うようになりました。
 昔は漁師町だったので、この辺りは木造の住宅街で、子供もたくさんいて近くに学校もありましたから、文房具の需要があったんです。地上げでビジネス街と化してからはだんだんと子供もいなくなりました。そして、文房具の需要が少なくなったのを機に、平成5年にたばこ専門店にしました。
 この地は主人の母親の生まれた街なんですよ。

お店はお一人で?

店番をしているご主人。パイプも様になっています。

 だいたい接客は私がしてますが、裏方の仕事は主人も手伝ってくれます。食事のときは店番も交代してくれますし。
 主人は、今はリタイヤしてお店を手伝ってくれますが、お店を始めた当時はサラリーマンでしたので、主人の両親と私と3人でお店を切り盛りしていました。

浜松町はいつ頃からオフィス街に?

おだやかな雰囲気の藤田さん

 今では想像できませんが、戦前、この辺りは下町の漁師町だったようですよ。戦後、高度成長期を迎え、東京オリンピックの頃にモノレールができて、バブルの頃に土地を買い占められてオフィス街になったんでしょうね。もうこの辺りで住んでいるのは数えるくらいですから。
 一昔前は、ビルと言っても今のようなビルではなく、木造2階の建物が並ぶオフィス街でした。古い雑居ビルの事務所ばっかりだったんだけど、最近は飲食店やコンビニに様変わりしています。

ではだいぶ変わられたんですね。

木製のフレームがモダンな窓口

 この一帯に来られる方はJRの南口を利用するんですが、前は南口はなく、世界貿易センタービルのある北口のみでした。ダイエーの入っている秀和芝パークビルができてから人通りが多くなった頃に、南口ができました。それから東芝、東京ガスというように大きなオフィスビルがあちこちに建つようになっていきましたね。
 道に迷われた方が「メルパルクはどこですか?」「東京タワーはどの方面ですか?」と尋ねることがよくあるんですが、たばこ屋さんの窓口は訪ねやすいんでしょうね、ここへ目掛けて一直線に聞きにいらっしゃいます。

お休みの日には?

真心をこめた接客を心がけています!

 土日にお店が休みなので、旅行や音楽を聴いたり、デパートへショッピングに行ったり、ミュージカルにもよく出かけます。
 最近では劇団四季の“ライオンキング”にも行きましたし、今度は“オペラザの怪人”にも行きます。めったに取れるチケットではないんですが、お友達が会員なので誘ってもらえるんです。素晴らしいですよ。

周辺案内

増上寺

 浄土宗の七大本山の一つ。江戸時代、徳川家の菩提寺として栄え、戦災でほとんどの建物を焼失してしまったが、三門・経蔵・御成門などを含む境内は焼失を逃れ、国の重要文化財となっている。また近代建築技術を結集して大伽藍が再建され、年間100万人を超える参詣者が訪れる寺として親しまれている。

住所:東京都港区芝公園4-7-35 ※地下鉄三田線御成門駅A1出口から徒歩3分

編集後記

 平日はスーツを着たビジネスマンが行き交う街も、週末になれば静かでのんびりと過ごせるようです。江戸を代表する大庭園の浜離宮恩賜庭園で心静かなひとときを過ごすもよし。世界貿易センタービルの最上階から東京の夜景をしっとりと眺めるのもよし。運良くチケットが手に入るのであれば、四季劇場でミュージカルを鑑賞するもよし。浜松町で週末のスローな時間を過ごすのもいいかもしれませんね。