1989- 平成
たばこ1つとってもその国の文化がみえてきます

「いっぷくの思い出」入選受賞
【2000/平成12年】
年度末の仕事が忙しく、毎日深夜まで残業が続いていた時があったがある日のこと、やはり定時を過ぎて残業していたのだが、一緒に作業に当たっていた同僚の一人 彼はヘビースモーカーだったのだが「ちょっと一服しましょうよ」と言われて私は彼と喫煙コーナーへと向かった。私はそれまで喫煙経験が無かったのだが、彼に人生で初めて煙草を勧められ喫煙を体験したのだった。そこで煙草を燻らせながら語り合った仕事の事、女の事など何気ない会話ではあったが、一本の煙草がこんなにも気持ちをほぐしてくれ、リフレッシュさせてくれ、同僚との関係が一層深まる瞬間を生み出してくれるとは思いもよらなかった。ありふれたシチュエーションに映るかもしれないが、私にとっては煙草を媒体として同僚とのコミニュケーションが一層強くなり、潤滑油としての役割を果たしてくれたことが今でも印象深く残っているのである。
[20代/男性/埼玉県]
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