1966-1975 昭和40年代
うれし恥ずかし、たばこの味と青春の思い出

【1970/昭和45年】
大阪万国博覧会
小学生の頃、父親の運転する車に乗るのが嫌だった。というのも、私は乗り物酔いをよくしてしまい、その原因が父親の荒いハンドルさばきと運転中にふかすタバコの煙にあると思っていたからである。しかしながら、車を運転しながらタバコをふかす父の横顔は、仕事をしている時とは別の違った顔をしていて、乗り物酔いに苦しみながらも妙に『大目に見てやるか』という気になった。父親の運転する車に乗るのは嫌だったが、それでも『乗車拒否』をしなかったのはそんな「いつもと違う父親の横顔」を見せてくれる『タバコ』の不思議にとりつかれたせいだったかもしれない。
[40代/男性/東京都]
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