【1970/昭和45年】
煙草好きの祖父は1年間の入院中もお守りと称し未開封の愛用煙草をひと箱いつも枕元に置いていた。闘病の甲斐なく亡くなり,その時父の涙を初めて見た。お葬式が終わった時,庭先で独りゆっくりと祖父のお守りの煙草を父が吸っていた。父は煙草を止めて10年以上経っていたのに,あの時の紫煙はどんな味がしたのだろう。
[40代/女性/福岡県]