代表 | 小林 照子 |
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住所 | 〒120-0034 足立区千住1-37-2-101 |
TEL | 03-3881-6330 |
JR、東京メトロ、東武鉄道、首都圏新都市鉄道が乗り入れるターミナル駅・北千住。都心からのアクセスも良く、駅ビルが併設され、駅周辺は多くの飲食店、商業施設で賑わいます。江戸時代には日光街道の宿場町として栄え、近年では多くの大学が進出し、学生の街としての顔も見せつつあります。北千住駅から徒歩5分ほど、千住警察署すぐそばにある、たばこ店こばやしさんの奥様と、奥様の娘さんのご主人である遠藤さんにお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
奥様 創業は私がここにお嫁に来る前ですので、50年以上前だと思います。ここで喫茶店を始めたのは、17年前で、その前は瀬戸物を売っていました。瀬戸物屋を閉店するときに、「50年ありがとうセール」と宣伝していましたから、67年くらいはここで商売しています。
喫茶店とたばこ店では、奥様、娘さん、遠藤さんで、それぞれ分担しているのでしょうか?
遠藤さん 僕はたばこのを担当しています。以前はサラリーマンだったので、商売は初めてでしたから最初は戸惑いました。僕が店に入って14年くらい経ちますが、当初は出張販売が多くて、車での出販先回りで結構忙しかったですね。その頃は自動販売機でもよく売れていましたから。
奥様 息子がたばこで、娘二人が喫茶店で、お互い責任を持ってやってもらっています。息子にも手があいていたら喫茶店を手伝ってもらっているので、今は娘と息子に任せています。責任を持ってやってもらうためには、手出ししてはいけないと思うんですよ。私がいちいち口出ししていたら、やりにくいと思います。最初は、たばこも私がやっていましたが、息子にバトンを渡してからは、新しいたばこが入っても覚えないことにしたんです。ですから、たまに息子がいないときにお客様にたばこの銘柄を言われて、慌ててしまいますけど(笑)。
たばこのお客様は常連さんが多いでしょうか?
遠藤さん 平日は常連さんが多いですね。このへんにお勤めの方、近所の方が6~7割くらいです。灰皿を店の両脇に二カ所、4つ置いているのですが、このへんの会社もビル自体が禁煙になっているところが多いので、お勤めの方が休憩でここに来て吸われています。逆に週末になると、通りすがりのお客様が多いです。最近、街歩きをする方が多くて、土日は喫茶店のほうも、たばこのほうも平日では見慣れないお客様がみえます。
奥様 このへんの会社の新入社員に、先輩社員が「吸うならここで」と連れてきてるんですよ(笑)。喫茶店の中でも吸えますが、煙を嫌うお客様もいらっしゃるので、換気には気をつけています。
4つも灰皿を置いていると、掃除も大変ですね。
奥様 息子は毎朝の灰皿の掃除が大変だと思います。灰皿については、組合の役員会があるときに「たばこの販売許可を出したお店には必ず灰皿も設置して欲しい」とお願いしています。というのは、コンビニやスーパーでたばこを販売していても、灰皿はほとんど置いていませんよね。「灰皿を置いたけど、お客様からクレームが来たので撤去した」とか聞きますけど、クレームが来たとしても、販売しているのなら、やはり灰皿は置くべきだと思います。コンビニに灰皿がなくて、小売店の灰皿を利用する人も多いと思うので、たくさん売ってるコンビニが置かず、あまり売れない小売店が一生懸命灰皿の掃除をしているというのも、考えものですね。
確かにそうですね。そういった声は上げ続けないといけませんよね。それでは、ご商売を続けるうえで、気をつけていらっしゃることは?
奥様 喫茶店を開店した当時は、息子は外で勤めていましたので、スタッフは女性だけでした。そのときに「女性がやるお店だから、店内をいつも綺麗にしておきましょう」と決めたんです。その日の汚れはその日のうちに落とそうということで、お店が終わったあと全部綺麗に掃除して、翌日はそのまま開店できるようにしています。それは未だに続いていて、たまにお客様に「何年やってるの?」と聞かれてお答えすると、「それにしては綺麗だね」と言っていただくこともあります。
遠藤さん たばこのほうは、リピーターになってもらいたいので、たばこの銘柄とお客様の顔を合致させて覚えることを心がけています。顔を見て「ハイ」と渡せるほうがお互い早いし気持ちがいいし、「また次も買おう」と思っていただけるのではないかと思います。それから、たばこのパッケージデザインがよく変わるので、旧デザインのものを売ってると、賞味期限に問題はなくても「あそこは古いたばこを出すところだ」と思われてしまいますよね。うちは出張販売の自販機もあるので、それと連動させながら在庫管理をしっかりして常に新しいものを販売するように気をつけています。
周辺案内
慈眼寺
足立区千住1-2-9
JR・東京メトロ・東武線・つくばエクスプレス「北千住」より徒歩10分
政和3(1314)年に創建。徳川家三代目将軍家光のとき、江戸城北方鎮護の祈願所となり、信仰の場として栄えた。境内の地蔵菩薩庚申塔は足立区内で最も初期のものとされる。
源長寺
足立区千住仲町4-1
JR・東京メトロ・東武線・つくばエクスプレス「北千住」より徒歩15分
慶長15(1610)年創建。本山は京都の知恩院。江戸時代には日光門主の通行時に本陣の代わりをつとめる。また、将軍の鷹狩りの御善処ともなった。
編集後記
喫茶店のCafe Kova Gardenは、開店から17年経っているとは思えないほど、綺麗でおしゃれなカフェです。たばこも売っているので中で喫煙できますが、煙臭さはまったくなく、たばこを吸わないお客様でもリラックスできる居心地のいい空間となっています。手作りスコーンやケーキも自慢のカフェですので、北千住にお立ち寄りの際は、ぜひご賞味いただければと思います。