代表 | 二見 亨 |
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住所 | 荒川区荒川1-35-11 |
TEL | 03-3891-0211 |
都電荒川線は、東京に唯一残る都電で「東京さくらトラム」の愛称でも親しまれています。最近では都内を走る小さな路面電車のノスタルジックな雰囲気が好まれてか、海外の観光客などにも知られるようになりました。
そんな東京さくらトラムの荒川一中前駅からほど近くにある豊國屋 二見酒店のご主人にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
ご主人:昭和3年〜4年頃です。もう95年目ですね。祖父がここの土地を買って酒屋として商売を始めました。当時、御用聞きといって、あちこちに行って知り合いをたくさん作ってお客様を増やしていく伝統的な酒屋さんでした。
この町は小さな工場が多かったんですよ。家内工業で、家族みんなが関わって物作りをする。日本製紙とかの大きな会社の下請けの下請けみたいな。
あとは、自宅で家具を作ったりする職人さんが多かった。そこに御用聞きとして飛び込んで行って注文を取ってくるんです。
今とは違って昭和の時代はこのあたりは町工場だったんですね。
ご主人:時代が変わってもう工場はなくなり、マンションばかりになりました。だから、商売も転換していかないといけないですよね。
祖父の代から地元の顧客に配達をしているということもありますが、うちは飲食店の営業許可も取得しているので、今はケータリングサービスの配達が多いです。様々な催事や冠婚葬祭で食事や飲み物を配達します。
では、お店番というより、配達でお忙しいですね。
ご主人:お店にいるより配達しに行ってる時間のほうが長いです。去年コロナ禍があけて、数ヶ月は世間的に様子見みたいな雰囲気でしたが、今年に入ってからは人の集まりがすごく増えましたね。
自社でECサイト「樽酒ぷらざ」(www.taruzake-plaza.com)を立ち上げてからは、そこから注文をいただくので、また新規での配達も増えました。
お店の前に新型の自動販売機を置いていらっしゃいますが、お客様の反応はいかがですか?
ご主人:うーん。そんなに売れないね(笑)。もちろん買ってる人もいるけど、前にtaspoで買っていた人がまだマイナカードを持っていないとか、マイナカードを出すのが嫌だっていう人もいます。マイナカードを持ち歩く人がまだ少ないみたい。
ニュースでも度々あるけど、落としたら偽造されるんじゃないかとか、市民感覚としてまだマイナカードが浸透していないから、過渡期ですかね。
自販機も新型とtaspoが使える旧型をまだ併用してるでしょ。2026年に旧型が使えなくなって、新型だけになれば、また意識も変わると思います。
屋号が豊國屋ですが、これは初代がつけられたのでしょうか?
ご主人:そうです。当時、豊國という大相撲力士がいて、そこから取ったようです。
今は屋号のある商店も少なくなってきているけど、「豊國屋」、店の「二見酒店」、ECサイトの「樽酒ぷらざ」と、伝統もあるし、新しい業態にも対応していく名前と、新旧三つあるのがいいと思っています。
周辺案内
三河島公園
きりんの長い首をかたどった滑り台が設置してある、通称きりん公園。公園中央は広場になっているため、子供たちが自由に走り回ることができます。他にブランコや砂場などの遊具でも楽しめます。
荒川区荒川8-25-2
東京さくらトラム(都電荒川線)「荒川二丁目」下車徒歩3分
荒川自然公園
東京都下水道局三河島水再生センターの上に人工地盤を築いて設置された公園。1982年に新東京百景に選定されました。児童公園、昆虫観察園、野草園などが併設された広い園内には樹木が繁り、自然観察の場としても楽しめます。
荒川区荒川8-25-3
東京さくらトラム(都電荒川線)「荒川二丁目」下車すぐ
編集後記
先頃、新東京たばこ商業協同組合足立荒川支部の支部長に就任され、ほかに酒造組合の役員や青色申告会の副会長もされているということで、お役目が多く、お店の配達もお忙しいご主人です。
世の中がめまぐるしく変化していくなか、酒屋の伝統を守りながら時代のニーズに合わせた業態を展開していく姿勢に感服しました。ケータリングサービスのことや、たばこ、飲料の自動販売機など、ご商売のことを色々お話してくださり、勉強になり、楽しい時間を過ごせました。
ぜひ、「樽酒ぷらざ」(www.taruzake-plaza.com)もご覧になってみてください。