代表 柳下元秀
住所 板橋区成増2-17-20
TEL 03-3930-0315

板橋区の成増は東武東上線の駅と東京メトロ有楽町線・副都心線の駅と2つあり、ほどよく離れた駅間に多くの商店がぎゅっと集まる駅前利便の高い街です。東武東上線成増駅と東京メトロ成増駅をつなぐ成増スキップ村商店街には多くのお店が軒を連ね、地元の人々で賑わっています。

そんな活気ある商店街にお店を構える柳下酒店のご主人にお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

今は募金箱、昔は銭箱(レジ)として使用。歴史を感じます。

ご主人:大正末期です。1926年。最初は酒屋で始めました。酒や醤油、味噌や缶詰めなどを売っていたと思います。たばこは私が小6くらいの頃だから昭和47年頃に許可が下りて販売するようになりました。私が店を継いでしばらくして、普通の酒屋から業態をコンビニに変えて20年くらいはやっていたんです。今、隣をラーメン屋さんに貸していますが、以前はそこも含めてコンビニでした。

でも、だんだん年を取ってくると朝早いとか夜遅くまでが大変になってきて、中に仕切りを設けて半分は貸して今のスペースでミニコンビニをしました。駅ナカにあるような小さいコンビニですね。

それも契約の更新時期をきっかけにやめて今の角打ちのスタイルにしたのが10年前です。

角打ちの店にしてからお客様の反応はいかがでしたか?

たばこの棚です。

ご主人:おかげさまでいろいろな年代の人が来ますけど、若い人も安く飲めるからたくさんいらっしゃっていただけますね。常連さんも新しいお客様も多く来ます。居酒屋よりもずっと安いからね。

成増駅に近い商店街でとても賑わっている場所ですが、もともとこれくらい人通りがあったのでしょうか?

成増スキップ村商店街にあります。

ご主人:そうですね。大正3年に東武東上線が開通して、蒸気機関車が通ったんだけど、開通した当初から成増の駅はありました。うちが大正15年に開店しているから、人通りはずっとあったみたいですよ。当時のことだからそんなに知らないけど(笑)。

今はうちの前にMEGAドン・キホーテがありますが、その前はダイエーだったんですよ。2019年まであったダイエーが撤退して次にドンキが入るまで4年くらい空いていたんですよね。そのときは人通りがだいぶ減りました。歩いてる人はいるけど、通勤通学の人で買い物目的じゃないから通り過ぎるだけ。

うちの店もヒマになっちゃったけど、去年、ドンキがオープンしてまた人通りが戻ってきました。

たばこを昭和47年頃から扱っているということですが、たばこのほうはいかがですか?

店内にある喫煙室。

ご主人:たばこはね、ドンキができてから、お客さんを持っていかれちゃったというのはあるんだけど(笑)おかげさまで昔から結構売れていました。

今は常連さんが多いですね。東京オリンピックの前に都条例で喫煙室のないところは喫煙禁止って定められたので、急遽うちも喫煙室を造ったんです。2〜3人入れるくらいの小さいものですが、角打ちスペースでは吸えないから、吸う人は喫煙室で吸ってもらっています。

角打ちのお客様が多いのでやはり忙しいのは夕方から?

お話を伺ったご主人。

ご主人:朝10時に開けて昼の1時までお店をやります。中休みを入れて夕方4時から夜9時まで営業していますが、朝の10時から1時まではリタイアされた方が来るんですね。朝から飲みに来るんですよ(笑)。

顔見知りが多いし、お年寄りなので脚が悪い人もいて、そういう人には椅子を出したりします。でも、夕方からは会社帰りの人が多いから、椅子は出せないからねって言うとちゃんと了承してくれて、夜の時間には来ない。

夜に来るお客様で、タチが悪い酔っ払いがいたら、早めにお帰りいただくようにしています。お店にいる人は常連さんも多いから、「あの人は帰らせたほうがいいよ」とか周りのお客様から言ってくれて、助けてもらいながら営業しています。

周辺案内

出世稲荷神社

創建は不詳。川越藩主が参勤交代の折に出世祈願を掛けたことから出世稲荷と称されるようになったといいます。稲荷神社には狐型の狛犬がありますが、境内には別に獅子型の狛犬が置かれおり、これは、大正末期から第二次世界大戦頃まで近くにあった兎月園という遊園地内の神社に置かれていたものと言われています。

練馬区旭町3−17−4
東京メトロ副都心線・有楽町線「成増」下車徒歩10分

妙安寺

日蓮宗の寺院。開山は駿河蓮永寺の日雄上人(元和元年1615没)、開基は板倉伊賀守勝重(寛永元年1624没)と伝えます。本堂手前の板碑形題目碑は八世日如上人(享保19年1734没)の代に造立された貴重な石造物です。

練馬区旭町3−10−11
東京メトロ副都心線・有楽町線「成増」下車徒歩10分


編集後記

大正15年創業の酒屋の3代目ご主人。成増周辺の歴史も詳しく丁寧に教えてくださいました。取材に訪れたのは、平日の夕方4時台でしたが、お店はすでに角打ちスタイルで飲むお客様が多くいらっしゃって、大変な賑わいでした。

また、ご主人曰く扱うたばこの銘柄は減ったとのことですが、120〜130銘柄を置いてあり、喫煙室もあります。

成増駅近い便利な場所にある柳下酒店さん。気軽に飲みに行きたいところです。