
代表 | 小澤一郎 |
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住所 | 新宿区西落合2-8-1 |
TEL | 03-3950-3030 |
新宿区の西落合は、閑静な住宅街です。近くには、妙正寺川や妙正寺川公園に連なって、2020年に国名勝に指定された個性的な哲学堂公園もあります。
ここ西落合で長らくお米とたばこを扱う小澤米店の二代目ご主人と奥様にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?

ご主人:創業は父の代で、ここのお店は昭和11年からですね。お米屋で始めています。たばこを扱い始めたのは私が高校生のときだから、昭和32〜33年頃です。
高校生のときに父が倒れたので、お店を否が応でも私がやらなきゃいけなかったです。長年付き合っていただいているお得意様との関係もありますし、お店は続けなければいけなかったんですね。
なるほど。お米屋さんというと、配達がつきものだと思いますが、ご主人が配達に行っている間はお店はどなたが見ていらっしゃったんですか?

ご主人:当時は母がいたので母がお店を見ていました。その後は、一般家庭に配達するより、業務用の取引が多くなっていきました。
父が病気をしているから、それをカバーしながら仕事をするとなると、だんだんそういう大口の取引に比重が増えていったんですね。主に工場の大きい社員食堂への配達が増えていきました。
そこからまた新たにご縁があって、他の企業さんを紹介してもらうということが続きました。
そうだったんですね。では、今お店に置いているたばこは常連さんが買いに来てくれるのでしょうか?

ご主人:そうですけど、やはり長い付き合いの常連さんはだんだんと亡くなってしまいますね。仕方がないことですけど。
都心の賑やかな場所にお店を構えているたばこ屋さんだと、お客様の層が違うでしょうけど、このあたりは住宅街ですから、お客様は地元に住んでいる方々です。その中で月に何箱も吸っていた方がどんどん年を取っていきますからね。
先日、手術をしたお客様が「内緒で吸ってるんだ」なんて言って半年ぶりくらいにお店に来てくれたことがありますよ。
奥様:その方は手術がうまくいったようで、とても元気になられていたので、私たちもとても嬉しかったです。
奥様もご主人とご結婚されてからはお店を手伝っていらっしゃるんですね。

ご主人:ずっと嫌だ嫌だって言ってたけど、やらされて(笑)。
奥様:でも半分は楽しんでいました(笑)。サラリーマン家庭で育ちましたし、会社勤めからお嫁に来たので、始め商売のことは何もわからなくて主人の足を引っ張っていました。会社員時代とは勝手が違うので、必要なものを捨てちゃったとか(笑)。失敗ばかりしていましたけど、楽しかったですよ。
それに、会社は週に5日制だったので、商売をしている方はすごく働いているんだなと思いました。
会社名が「丸沢商事」で屋号がご主人の名字の小澤米店ですよね。「丸沢」という名には由来があるのでしょうか?

ご主人:いくつか候補があった中から決めました。「丸」という漢字がつくのが、いいのではないかと。当時、東京では「丸」がつく社名が多かったんですよ。
周辺案内
妙正寺川公園


新宿区と中野区にまたがる妙正寺川沿いの公園。野球やサッカーができる広々とした運動広場や、自然石を配した池など、運動、散策、探検、休憩など、老若男女問わず楽しめる区立公園です。
新宿区西落合2-20
西武新宿線「新井薬師前」・都営大江戸線「落合南長崎」下車徒歩10分
葛谷御霊神社


旧葛ヶ谷村の鎮守。明治時代には備謝祭(新宿区指定文化財)当日に村の若者が力石を持ち上げて競い合いました。このときの力石(新宿区指定文化財)は神楽殿横の耕地整理記念碑周辺に複数個集められ、今でも残っています。
新宿区西落合2-17-17
都営大江戸線「落合南長崎」下車徒歩10分
編集後記
とても穏やかなご主人と明るい奥様で、丁寧にご対応いただきました。学生の頃からお店を切り盛りしていたお話や、昨年からのお米の値上がりについてなど、いろいろお話を伺いました。お話を聞いていて、ご主人が誠実なご商売をされてきた積み重ねがあって、今に繋がっているのだということがよくわかります。
これからも、健康で長くご商売に励んでいってほしいと思います。