代表 國保征子
住所 北区志茂4-11-10
TEL 03-3902-8855

北区志茂は東京メトロ南北線の志茂駅はもちろん、北区のビッグターミナル赤羽駅からも徒歩圏内の閑静な住宅地。どこか昭和ノスタルジックな雰囲気の商店街もあり、近年ファミリー層からの注目が熱いエリアです。

以前にもインタビューをさせていただいたことがある國保たばこ店さん。今回は久しぶりの再訪となりました。

今回で二度目のインタビューになるので、重複しますが改めてお店を始められた頃のことを教えていただけますか。

志茂のたばこ屋さんの奥様にお話を伺いました。

奥様:私の主人の母がここでたばこ屋さんを始めました。お義父さんが新聞社の会社員で、私の主人は公務員でしたから、お店は女性が見ていたんですね。

お義母さんが早くに亡くなってしまったので、私も33歳くらいからずっとお店を一人で見て、もう50年近くになります。

主人も会社を退職してからは、お店を手伝ってくれていました。確定申告などの計算は主人がやってくれていたのですが、去年亡くなってしまったんです。

それはご愁傷様でした。しばらく大変でしたね。

掃除の行き届いた灰皿が気持ちの良いお店です。

奥様:確定申告もですが、商店街のことも書類を作ったりしてくれて、私が役員ではあるんですけど、陰で主人がずいぶん手伝ってくれていました。

商店街は志茂七溜商店街というのがありましたが、一昨年に解散しました。はじめはお店がこの通りだけで60軒くらいあったんです。昔は賑やかだったんですよ。それがだんだん半分になり、十数軒になってしまって運営していくのも大変。

これくらいの規模の個人商店には後継ぎがいません。時代の流れで仕方がないですね。

そうでしたか。でもお店の灰皿は今もたくさんの方が利用されていますね。

ご近所にお勤めの愛煙家たちのオアシスです。

奥様:近くに小さい会社があるんです。そこの方たちが30分おきくらいに何人かずつ休憩に吸いにきます(笑)。だからすぐに吸い殻でいっぱいになるんですけど、商売している以上はちゃんと灰皿置いて毎日お掃除しないといけませんよね。吸っている方々も「いつもすみません」と声をかけてくれるので、私も「どうぞごゆっくり」とご挨拶しますよ。

中には自転車で来て携帯灰皿の中身をうちの灰皿に捨てて行く人もいるんですけど、それも仕方ないのかなあって思います(笑)。家で捨てると匂いますしね。

お客様からは見えづらいところでのご苦労はありますよね。以前お伺いしたときに趣味で江戸文字を書いているとお話聞きましたが、今も続けていらっしゃいますか?

奥様制作の梵字。

奥様:玄関先にも飾っている纏(まとい)の文字や歌舞伎文字や相撲の文字ですね。もう目がつらくて今はやっていません。やっぱり細かいものを見るのでね。

以前、七溜商店街のときは商店街のペナントのデザインもしていました。人からは、「ご祝儀袋の表書きを書いて」とか言われるんですけど、困るんですよ(笑)。字が上手なことを期待されているんでしょうけど、こっちは漢字を間違わないように必死です(笑)。

それでは、ご商売をされている上で気をつけていることは?

窓口ですぐにたばこを出してくれますよ。

奥様:お客様との対話ですね。たばこを出すときに「はい」っていうだけじゃなくて「今日は寒いね」とか一言加えるとか。お客様のほうでも「おばさんも体に気をつけてね」って言ってくれたりしますよ。こちらから何か言えば相手からも返ってきますものね。

吸いに来てくれる近所の会社員の方でも、普段はコンビニで買っているので、うちで買うときにコンビニの番号の「○○番ください」ってつい言ってしまうみたい(笑)。でも、私が銘柄を覚えて、黙っててもすっとたばこが出てくるのが気持ちいいらしいです。

周辺案内

西蓮寺

真言宗智山派の寺院。ご本尊は鎌倉初期に作られた木造阿弥陀如来坐像で北区指定有形文化財です。境内には板碑(供養塔の一種)が数多くあり、最も古いものは鎌倉時代のもので、歴史史料として北区の有形文化財に指定されています。

北区志茂4-30-4
東京メトロ南北線「志茂」下車徒歩10分

志茂平和通り商店街

JR赤羽駅から北東へ、名前を変えつつ連なる商店街。赤羽駅から続く赤羽スズラン通り商店街、志茂スズラン通り商店街、そして志茂平和通り商店街になります。赤羽から離れるにつれ、お店も減ってきていますが、どこかノスタルジックな風情がある通りです。

北区志茂2丁目
東京メトロ南北線「志茂」下車徒歩7分


編集後記

去年亡くなったご主人のお仏壇に、娘さん二人からのバレンタインのチョコレートがお供えしてありました。毎年のバレンタインだけではなく、お誕生日などのお祝いにはケーキを囲んで一緒に食べるなど、とても仲の良いご家族のお話にほっこりしました。

そして、個人商店のたばこ屋さんが年々減っている現実ではありますが、街中に灰皿があって誰でも一服できる環境を整えてくれているたばこ屋さんに感謝をしたいと、お話を伺って改めて思いました。