| 代表 | 上野順子 |
|---|---|
| 住所 | 墨田区本所2-17-7 |
| TEL | 03-3625-1981 |
本所吾妻橋駅、浅草駅、蔵前駅、両国駅からも徒歩圏内にある老舗の酒屋さん。なんとここには2014年のNHK朝ドラ『マッサン』で一躍有名になったニッカウヰスキー1号があるのです。東京大空襲を生き延びて大切に保管されていました。
また、2023年に亡くなった元大相撲力士の寺尾関とは家族のような付き合いだとか。
お店の歴史も含め、色々なお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
奥様:義祖父が勝沼で葡萄園をしていて、葡萄酒を作って東京に持ってきて売る仕事をしていました。その息子である義父が昭和3年(1928年)、23歳でこのお店を創業して商売を始めたんです。今は、私の息子が3代目としてお店を継いで、あと2年で創業100年になります。
ニッカウヰスキー1号シリーズがうちにあるんですよ。テレビで『マッサン』を見ていたときに「これってうちにもあるよね」って主人と話をして。戦時中は地下の倉庫に埋めて、人だけ疎開して、また戻ってきたときに掘り起こして無事だったんですよ。
ニッカを傘下に置くアサヒビールにも確認してもらって、そのことは読売新聞に載りました。
すごく貴重なものですよね。歴史を感じます。今は3代目の息子さんと奥様と通いの女性が中心にお店を見ているのですね。
奥様:主人が7年前、ちょうどコロナ禍の時期に亡くなりましたので今は3人で。主人は肝臓の病気で亡くなる16年前に手術をしましたが、その後色々な感染症も発症して亡くなりました。お葬式などで人が集まれない時期でしたから、家族だけでお式ができて私たちはかえって助かりました。
主人は付き合いの広い人で、議員さんや区長さんなどとも付き合いがありましたので、平常時にお葬式をするとなると、大変だったと思います。
町の名士のお葬式となると、盛大なものになりますよね。昔はお酒の配達などもあり、忙しかったと思いますが、たばこはいかがでしたか?
奥様:たばこもすごく売れていました。専売公社時代は毎週担当の営業さんが来てくれて在庫を調べて、発注してくれていました。全部やってくれたんですよ。売上げが良かったので、それこそお相撲さんのイベントなどにご招待もしてくれました。いい時代でしたね(笑)。たくさんものが売れて経済が回っていました。
セブンスターの値上げのときは、値上げ前にお客様から「1段ボール取っておいて」ということがよくありました。足りなくなると、横川にたばこの倉庫があったので、私も取りに行きました。
今は大変。色々な種類が少しずつ値上がりするから、うっかりして品切れしないように気をつけています。
お店の前に灰皿を2つ設置していますね。
奥様:今は煙にすごく厳しくて喫煙場所がないでしょ。灰皿は、もちろん敷地内に置いていますが、うちは、夜も灰皿に水を入れてしまわずに出しています。そうするとタクシーの運転手さんにとても喜ばれるんですよ。
うちは、以前何度か泥棒に入られたことがあるんです。でも、外に灰皿を置いておくと夜中でも早朝でも不定期に人が喫煙しに来るじゃないですか。もちろん防犯カメラも設置していますが、人の目があるのとないのとではまったく違いますよね。それからは泥棒には入られていません。防犯の役目も担ってくれているんですね。
それと、やっぱり吸いに来るに方には「いつもありがとうございます。助かっています」って喜んでいただけるので。
長くご商売をされる上で気をつけていらっしゃることは?
奥様:お客様とお話しするのがとっても楽しいです。うちのような商店ではスーパーやコンビニにはない応対ができますでしょ。個人的には若い人と話すとエネルギーをもらえて元気になりますね(笑)。
流行のダメージジーンズを穿いている若い子に、わざと「ズボン破れてるから、おばさんアップリケつけてあげようか?」って言うんです。すると、「そういうファッションだよ」って返してくれて、会話になるんですよね。「破れてるとこ寒いでしょ?」って言うと「すごく寒いです」って、たばこ吸いながらお喋りしてくれます。
うちはたばこのポイ捨てが全然ないですよ。ちゃんと灰皿に捨ててくれます。だから、灰皿って絶対に必要です。お掃除していると、皆さん「いつもありがとうございます」って話しかけてくれますし、やっぱり人って会話をしてわかり合えることが一番大切ですよね。
周辺案内
たばこと塩の博物館
嗜好品のたばこと、生活必需品の塩に関わる歴史と文化を伝える博物館。かつては渋谷の公園通りにありましたが、2015年に現在の地に移転、リニューアルオープンしました。※入館料が必要です。
墨田区横川 1-16-3
都営浅草線「本所吾妻橋」下車徒歩10分
東京おりがみミュージアム
日本折紙協会が運営する施設。様々な折り紙作品を鑑賞できる常設展や、折り紙教室を行う講習室があります。また、ショップでは日本折紙協会が発行する書籍や雑誌、各種折り紙用紙も販売されています。
墨田区本所1-31-5
都営大江戸線「蔵前」下車徒歩8分
編集後記
明るく話し上手な奥様で、お店の歴史含めたくさんのお話をしてくださり、時間があっという間に過ぎました。あと2年で創業100年という老舗の酒屋さん。積み重ねてきた時間はそのまま地元の信用になり、人情に厚い対応は人の心を温かくします。
とても素敵なお店なので、お酒が好きな方もたばこが好きな方も、お近くをお通りの際はぜひ立ち寄ってみてください。

