代表 | 石野 真一 |
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住所 | 中央区月島 |
東京の中央区にある下町・月島。200メートルの通りに100軒以上のもんじゃ屋がひしめく月島西中通り、通称もんじゃストリート。そこにお店を構える「石野百貨店」さんは、この地でたばこと日用雑貨を扱う下町ならではのたばこ屋さん。街の再開発で建ち並ぶ高層ビル、そしてもんじゃ屋と下町の風景が調和する月島で、たばこに対する思いとたばこ業界のこれからについて熱く語って頂きました。
月島といえば「もんじゃ」ですね
修学旅行や観光旅行に、ディズニーランド、浅草、月島のもんじゃとコースに入ってるぐらいだからね。今で「もんじゃ3次ブーム」らしいよ。テレビや雑誌で見た地方の方々は一度は行ってみたい東京のスポットになっているでしょ。だから休みの時は観光客、家族連れで賑わってるよ。
ありがたいことに、もんじゃのお陰で月島がテレビで取り上げられれば、人が集まってくるでしょ。その中には愛煙家の方もいるわけだから、うちでたばこを買って行ってくださるわけですよ。その人の流れを少しでもキャッチできるように、地方の人からすればちょっと珍しいたばこを自販機に入れてみたり、葉巻を自販機で扱ってみたり、目を引くように工夫しています。自販機の前で「このたばこ見たことない」と立ち止まって会話している声も聞こえてきますよ。
月島はいつ頃からもんじゃで有名に?
今は「もんじゃストリート」と呼ばれているこの通りだけど、戦後は普通の商店街でもんじゃ屋は一軒もなかった。
日本の景気が下降するとともに商店が次々と店をたたんでいって、今まで路地裏にあったもんじゃ屋が表に出てくるようになって、犬も歩けばの状態になったのかな。
やっぱり月島といえばもんじゃだから、物が売れない時代の中、もんじゃ屋に転向する店も多いよ。
たばこに本腰を入れるようになったのはここ7、8年
私の祖母が戦前に隣町の佃でお店を始めた頃からたばこは扱っていましたが、たばこに本腰を入れるようになったのはここ7、8年かな。
その頃は表に自販機もなく、雑貨店ということを前面に打ち出して商売してました。街のいたるところにたばこ屋がある中、どうやってお店の個性を出すか苦労したね。何軒もたばこ屋を見て回ったり。
実は今私が住んでいるところは横浜の本牧で、本牧は米軍基地があったところで特殊な雰囲気の街で、裏通りに変わったたばこ屋がいっぱいあるわけ。ちょうど横浜担当のメーカーの営業マンがうちにも出入りしてて、横浜のたばこ屋をしらみつぶしにまわっていることを聞いてたから、その担当者からおもしろいたばこ屋の情報をしつこく聞きだして、休みになれば、自転車でランドマークから中華街まで研究のために見に行ったね。
若い営業マンの力
うちにはありがたいことに若い営業マンが出入りしてるから、彼らからいろんなことを教えてもらっているよ。私みたいな中年のおやじと違って若いと発想が柔軟でしょ。こっちが思ってもいなかったことを提案してきたりするわけですよ。やる気が違う!
例えば、表から見えるウィンドウの隣のコーナーも、日本たばこの営業マンがいろんなアイディア出して、こうした方がいいんじゃないか、ああした方がいいんじゃないかと試行錯誤しながら今にいたってるし、またどんどん変わっていくわけですよ。まあ、時々見当はずれのことも言うから、その時は「それは違うだろ!」ってちゃんと言いますけど(笑)。
たばこ業界が一致団結する時代
今は積極的にいろんな人に会って、いろんなお店を見て、いいところを吸収して、今から石野百貨店としてどういう取り組み方が必要なのか、構想を練っている最中です。
来年の5月から、マールボロの販売権がJTからフィリップモリスに移ることで、たばこ業界もここ2,3年にかけてますます大きな流れが出てくると思いますよ。逆に言えば、その流れの受けとめ方次第では勝ち組にも負け組みにもなれるわけだから、やりがいがありますよ。後ろを振り向いていてもしょうがないんだから刺激を糧にして前進するのみです。
また、たばこに対する世論が冷たい中、たばこ業界全体で一致協力して何か取り組んでいかないと益々厳しくなっていく。1つの小売店だけでがんばるんではなく、組合、メーカー、たばこ業界全体で意見を出し合って、世論にアピールしていかなきゃ。悪い面がクローズアップされてるけど、たばこにはいい面だっていっぱいあるんだから。
周辺案内
もんじゃストリート
東京メトロ月島駅7番出口からスタートしている通称「もんじゃストリート」、月島西中通り商店街。200メートルの通りに100軒以上のもんじゃ屋がひしめく、人気の東京観光スポット。 商店街の1番街入口のすぐ側にある「月島もんじゃ協会」は、隅田川から東京湾お台場へとクルーズしながらもんじゃを頂く屋形船や、お薦めのもんじゃ屋を紹介してくれます。
編集後記
ご主人は自らのことを“自分は江戸っ子のがらっぱちだから口が悪いんだよ”とおっしゃっていましたが、裏表のないまっすぐなお人柄とエネルギッシュな行動力、これからのたばこ業界を発展させていこうという真剣な思いが伝わってきました。また、東京中央たばこ組合の若頭理事として大変活躍されている石野さんと石野百貨店のこれからに目が離せません。